SF Missal

一月十五日 福者アロイジオ・ヴァリアラ司祭 記念(FMA任意)

一八七五年、北イタリア・アスティのヴィアリジ
という小村の信仰の深い家庭で生まれた。父親はドン・
ボスコの説教を聴き、大きな感銘を受けた。
 父親のはからいによって、アロジオは、一八八七年十月、
ヴァルドッコのオラトリオに通うようになる。
死期の迫っていたドン・ボスコから召命に応じるように
促す強いまなざしを感じとった。
やがて、十七歳でサレジオ会員となり、
ヴァルサリチェで哲学課程を修める。
ここで、アンドレ・ベルトラミ神父の感化を受け、
これが彼の宣教に大きな影響を与えることになる。
コロンビアでハンセン病患者の世話をしていたウニア神父に抜擢されて、
十九歳のとき、宣教師として同行した。
 派遣された活動の場は、二千人の住民のうち約七百人の
ハンセン病患者のいるアグアス・デ・ディオス市であった。
彼はオラトリオ、ブラスバンド、演劇部を設け、
病気の孤児を受け入れる施設を開き、「イエス・マリアの
聖心修道女会」をわずか三十代の若さで創立した。
こうして、アグアス・デ・ディオス市に春のような雰囲気をもたらした。
 住民、患者、孤児に対する尽きることのないイニシアチブは
周囲の理解が得られず、中傷に苦しんだ。
ルア神父はトリノから彼を励ましていた。
 晩年には、そのため、世話をした愛する患者たちからも
離れて暮らすことを余儀なくされ、不遇のうちに生涯を終えた。
一九二三年二月一日の早朝であった。享年四十八歳。

このような逆境を生き抜いたアロジオ・ヴァリアラ神父は、
神の前に栄冠を得ることになり、その生涯が見事に典礼の中に
織り込まれている。
「キリストの苦しみに忍耐をもってあずか」った
(集会) 彼の生涯は、「死と復活によって世を救われ」た (集会) 
御子にあやかったとたたえる。
 さらに、福者の英雄的な生き方は、会衆に「生涯、疲れを知らない
働きによって、福音の真理をあかし」し (拝領)、日々の働きを通して
「御子の苦しみにあやかる」よう(奉納)促してやまない。
 二○○二年四月十四日、教皇ヨハネ・パウロ二世に
よって福者の位に上げられた。
(ちなみにベッキ総長を最後まで看取ったのは
同会のシスターたちであった)

入祭唱 (詩編24・5-6参照)
神に従う人は神に祝福され、救いの恵みを受ける。
神を求め、その顔を慕う人は幸せ。

集会祈願
すべての善の源である神よ、
あなたは御ひとり子の死と復活によって世を救われました。
司祭 福者アロイジオ・ヴァリアラの取り次ぎによって、
キリストの苦しみに忍耐をもってあずかり、つかわされたところで 
あなたの愛をあかしすることができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
父よ、福者アロイジオ・ヴァリアラを記念してささげる
このいけにえを受け入れてください。
日々のわたしたちの生活が 御子の苦しみに 
あやかるものとなりますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領唱 (詩編34・9参照)
神の恵み思い、そのいつくしみを深く味わえ。
神に希望を置く人は幸せ。

拝領祈願 
父である神よ、生涯、疲れを知らない働きによって、
福音の真理をあかしした 福者アロイジオ・ヴァリアラを
導かれたように今、受けた秘跡の力によって
わたしたちの信仰を強めてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

一月二十二日 福者ラウラ・ビクーニャ 任意(FMA記念)

一八九一年、チリのサンチアゴで誕生。父が急逝したため、
母は二人の娘を連れて、アルゼンチンに移住した。
ラウラは、一九○○年にサレジアン・シスターズの
学校に編入学し、翌年、初聖体を受けた。その時、
ドミニコ・サヴィオのように、
「全身全霊で神様を愛すること、節制をし、罪を
犯すよりは死ぬこと、イエス様を人びとに知らせ、
イエス様への侮辱を償うこと」という決心を立てる。
 母親が、内縁の妻ということを察知した彼女は、
母の回心のために自分自身を主にささげ、苦行を
倍加し、指導司祭の承諾を得て、福音的勧告の私
的誓願を立てた。数々の犠牲と病苦によって消耗
し切ったラウラは、最期の夜、「お母さん、わたし
は死にます……。わたしは……、ずいぶん前に、
わたしのいのちをイエス様にささげ、あなたが神様に
立ち帰ることができるようにお願いしました……。
お母さん!死ぬ前に、回心したあなたを
見ることができたら、どんなにうれしいでしょう
……」と打ち明けた。一九〇四年一月二十二日の
夕方、願い続けたその恵みを目の当たりにし、
喜びに包まれてラウラは十三歳のいのちを神にささげた。
彼女の遺体は、アルゼンチン、バイア・ブランカ
のサレジアン・シスターズの聖堂に安置されている。
清純で孝愛に富み、いけにえとなった感嘆
すべき少女、ラウラは、一九八八年九月三日、
アスティのカステルヌオヴォ・ドン・ボスコ「青少年の
至福の丘」で、教皇ヨハネ・パウロ二世に
よって列福された。

典礼文は、神が救いの秘義をラウラのうちに完成
されたこと、つまり、「聖霊の力強い創造の働き
により……教会を常に実り豊かなもの」(叙唱)
にされる「いつくしみ深い神」(集会) の働きを
明らかにしている。
 ラウラの生涯には、神の働きの成果である「強い精神力
と汚れない純真な心」(集会) に満ち、
心を新しくされ「喜びにあふれ、……人びとに奉仕する」
(奉納) とうい、自らの誓約に合わせた
いのちを奉献する救いの恵みが、一筋の反射光の
ように輝いている。
 この聖なる集いに参加する会衆は、賛美の犠牲を
ささげ、神のみ顔を探し続けるために、新しいエネルギーの
たまもの、「いのちのパン」(拝領)
に養われ、「心の清い者が味わう幸い」(集会)の
生きたあかしとして生き抜き、「福音を伝える愛を
実践していくことが」(拝領) できるよう祈願する。

入祭唱 (詩編27・8参照)
わたしの心はささやく、「主の顔を尋ね求めよ」。
神よ、あなたの顔をわたしは慕い求める。

集会祈願
限りなくいつくしみ深い神よ、
あなたは、少女ラウラ・ビクーニャを、
はかり知れない摂理によって導かれ、
強い精神力と汚れない純真な心で満たされました。
福者の勇気に支えられ、わたしたちも
人生のあらゆる試練を乗りこえ、
心の清い者が味わう幸いを世にあかしすることができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

第一朗読(1ヨハネ3・13-16)
    わたしたちのいのちのために、ご自分のいのちを与えられた

答唱詩編(詩編34 典礼聖歌128)
答 主を仰ぎ見て、光を受けよう。
主が訪れる人の顔は輝く。

主をたたえよう、明け暮れ賛美を口にして。
主はわたしたちの口の誇り、
苦しむ時の心の喜び。 答

心を合わせて主をあがめ、
ともにその名をたたえよう。
主はわたしたちの祈りに心を留め、
すべての恐れを遠ざけてくださる。 答

主により頼む人はしあわせ。
彼はその恵みを深く味わう。
主をおそれよう。
主をおそれる者は乏しさを知らない。 答

アレルヤ唱(フィリピ1・29参照)
アレルヤ、アレルヤ。キリストを信じることだけでなく、
キリストのために苦しむことが、恵みとして与えられた。
アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読(マタイ10・28-33)
            恐れることはない

共同祈願
兄弟姉妹の皆さん、偉大なわざを続けられる父
なる神に、わたしたちの願いをささげましょう。

答 父よ、わたしたちの祈りを聞きいれてください。

聖性の道を喜びのうちに歩んだラウラ・ビクーニャ
にならい、すべての人に心を注ぎ、
助けと励ましを与えることができますように。 答

キリストに学び、寛大に生きた少女ラウラのように、
キリストを信じる人びとが困難に立ち向かい、
勇気をもって生きることができますように。 答

愛に結ばれ、互いに心を開き、受け入れ、家族の
価値を理解し、新しい世紀を担う子どもたちの
教育に心を注ぐことができますように。 答

理想に召された若者が、理想と現実のはざまで、
人生を閉ざすことなく、託された正義と平和に
基づく共同体建設の使命を果たしていくことができますように。 答

愛する人のためにいのちをささげるようラウラ
を促した愛に力づけられ、神と兄弟への奉仕に、
存在のすべてをかけて生き抜くことができますように。 答

その他の意向

父よ、あなたは小さい人びと、素朴な人びとの
中で、ご自分の愛の偉大さを示されます。
わたしたちを照らし、あなたのことばを喜びのうちに
あかしできるよう、聖霊のたまものを注いでください。
わたしたちの主 イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
父である神よ、
ラウラ・ビクーニャの若いいのちを受け入れられたように、
この賛美の供えものを受け入れてください。
ここにささげものによって わたしたちの心が新しくされ、
喜びにあふれ、おしみなく人々に奉仕することができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱-聖人達模範と取り次ぎ-
聖なる父、全能、永遠の神、
主イエス・キリストによっていつ どこでもあなたに感謝を
ささげることは、まことにとうとい、たいせつな務め(です)。
ラウラ・ビクーニャの信仰のあかしと、聖霊の力強い創造の働きにより、
あなたは、教会を常に実り豊かなものとされ、
愛の確かなしるしをわたしたちにお与えになります。
諸聖人の偉大な模範と 兄弟の取り次ぎは、人生の歩みを支え、
救いの神秘が 完成するよう 励まします。
あなたのみ顔をあおぎ、喜び歌う天使 聖人とともに、
わたしたちも、終わりなく感謝の賛歌を歌います。

拝領唱 (ヨハネ14・21,23参照)
主は言われる。「わたしを愛する人は、わたしの父に愛される。
わたしたちはその人のところに行き、そこに住む」。

拝領祈願
聖なる父よ、ラウラ・ビクーニャは、いのちのパンに養われ、
聖性の道を歩み続けました。
恵みのパンに 力づけられたわたしたちが、
新しい力を得て、福音を伝える愛を 
実践していくことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

 他の選択朗読

アレルヤ唱 (ヨハネ13・34参照)
アレルヤ、アレルヤ。主は言われる。あなたが
たに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。
わたしがあなたがたを愛したように。
アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読(ヨハネ15・9-17)
        友のために自分のいのちを捨てる。
          これ以上に大きな愛はない  

一月二十四日  聖フランシスコ・サレジオ司教 祝日

一五六七年フランスのサヴォアで出生。
パリで哲学と神学を勉学し、またパドヴァで教会法と民法を
学び、法学博士号を取得。司祭叙階後、シャブレーの
カルヴァン教徒をカトリックの信仰に再び導き
入れるよう司教に依頼される。
ジュネーブ司教となってから、アンヌシーに居住し、広く
説教による活動をくり広げ、トリエント公会議の改革路線を実現した。
気高い明敏な精神、博学なヒューマニスト、偉大な霊的指導者であった。
神の愛における聖性の本質を教示し(『神愛論』)、
修徳神学の道をすべての人に開いた(『信心生活の入門』)
出版物の大切さを見抜き、学問を深く掘り下げるために優れた知識人を集め、
専門的養成を若者たちに与え、導くためのアカデミーを設立した。
聖女ジャンヌ・ド・シャンタルと共に、「聖母訪問会」を設立し、指導した。
一六二二年十二月二十八日、リオンで逝去。
翌年一月二十四日、アンヌシーで彼の葬儀が行われたので、
その日が彼の祝日とされる。
 一六六五年に列聖され、一八七七年に教会博士と宣言され、
一九二三年カトリックのジャーナリスト、著作家たちの保護者と任命された。
ドン・ボスコは、フランシスコ・サレジオの使徒職、彼の慈愛にあふれた
善良さに深く感銘し、かつ啓発され、この聖人をサレジオ会の保護者とする
ことを望んだ。

典礼文は、キリストの民の心に、深い信仰教育
と、歩みやすい聖性の道を示すため、教会の中に
「聖フランシスコ・サレジオを興され」た(叙唱)
「いつくしみ深い神」(集会) への、感謝と賛美
のひとつの賛歌となっている。
 また、御父のみ心に従って、「柔和の霊に満たされ」て(叙唱)
形成された「柔和の徳」 (奉納) 
と、「著作、ことば、行いによって」 (叙唱)、
霊的生活のすぐれた教師、「知恵の霊」(入祭) に満たされた人、
「すべての人にすべてとなるため柔和で寛大な愛を示」し
(集会)、「罪人を回心に導き、平和と愛のきずなによって信じる者の
一致のために尽くし」た (叙唱) 「賢明で忠実な」
(荘厳祝福)、「熱意にあふれる牧者 柔和と滋愛に満ちた教師」
(集会)であると聖人をほめたたえている。
 御子の愛のあかしである聖体祭儀に参加することによって、
会衆にはひとつの責任が生じる。
つまり、「日々の生活と人びとへの奉仕によって」(集会)、
神の「愛のすばらしさをあかしする」こと(集会)、
「若者への使命を果たすこと」(集会)、教会的・
社会的・政治的・文化的なさまざまなことがらを、
人間性のあるものにするため、福音的精神を浸透させ、
彼の滋愛にあふれた愛徳、忍耐、勤勉の教えを「日々の生活において」
(拝領)生かすということである。

入祭唱 (シラ書39・8、10、14参照)
神は、知恵の霊で彼を満たし、
勧めと知識で彼を導かれた。
人びとは彼の知識を語り、
彼の誉れを告げ知らせる。

集会祈願
いつくしみ深い神よ、
すべての人にすべてとなるため 柔和で 寛大な愛を示すよう
聖なる司教 フランシスコ・サレジオにお望みになりました。
わたしたちも日々の生活と 人々への奉仕によって、
あなたの愛のすばらしさを
あかしする恵みを与えてください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

集会祈願(修道共同体用)
いつくしみ深い神よ、
あなたは聖フランシスコ・サレジオを
熱意にあふれる牧者 柔和と慈愛に満ちた教師として、
お選びになりました。
わたしたちも 同じ使徒的精神をもって、
若者への使命を 果たすことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

第一朗読 (ヤコブ3・13-18)
            知恵は清く、平和、寛容、温順

答唱詩編(詩編34 典礼聖歌128)
答 主を仰ぎ見て、光を受けよう。
主が訪れる人の顔は輝く。

主をたたえよう、明け暮れ賛美を口にして。
主はわたしたちの口の誇り、
苦しむ時の心の喜び。 答

心を合わせて主をあがめ、
ともにその名をたたえよう。
主はわたしたちの祈りに心を留め、
すべての恐れを遠ざけてくださる。 答

主により頼む人はしあわせ。
彼はその恵みを深く味わう。
主をおそれよう。
主をおそれる者は乏しさを知らない。 答

アレルヤ唱 (マタイ5・16参照)
アレルヤ、アレルヤ。あなたがたの光を人びと
の前で輝かしなさい。あなたがたの良い行いを
見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。
アレルヤ。

福音朗読 (マタイ5・13-19)
        あなたがたは地の塩、世の光

共同祈願
聖フランシスコ・サレジオの取り次ぎによって、
みことばが豊かな実りをもたらすよう、父である
神にわたしたちの祈りをささげましょう。

答 主よ、あなたの民を聖なる者にしてください。

教会の牧者が、聖霊に活気づけられ、無関心な
人びと、信じない人びと、希望を見いだせない
人びとに対して、忍耐、熱意、牧者の愛をもって
働くことができますように。 答

異なった教義を信じるキリスト者の間で、建設的な
対話が行われ、救い主キリストにおける一致の
探求が、尊敬と信頼のうちに促進されますように。 答

ジャーナリスト、著作家、出版関係の人びとが、
種々の出来事を福音の光に照らして読み取り、
人類の進歩と発展に役立つことができますように。 答

サレジオ家族が、日々、聖フランシスコ・
サレジオの教えを受け入れ、
聖人を特別な模範して仰ぐことができますように。 答

ここに集うわたしたちが、聖フランシスコ・サレジオに
ならい、受けた才能や恵みを神の国の建設のために、
活用することができますように。 答

その他の意向

父である神よ、あなたはご自分のしもべであり、
友である聖人たちの生涯において、あなたの滋愛を示されます。
この共同体があなたの恵みを受け入れることができますよう、
わたしたちの心を開いてください。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
 アーメン。

奉納祈願
聖なる父よ、
ここにささげる供えものを受け入れ、
柔和の徳で 聖フランシスコ・サレジオを満たした 
愛の霊を、わたしたちの心に注いでください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱
聖なる父 いつくしみ深い神、
いつ どこでも救い主キリストによって 
賛美と感謝をささげることは
まことにとうとい たいせつな務め(です)。
あなたは教会に みこころにかなった牧者 
聖フランシスコ・サレジオを興されました。
聖人は著作、ことば、行いによって民を導き
聖なる道をすべての人に示しました。
また、柔和の霊に満たされ 罪人を回心に導き、
平和と愛のきずなによって
信じる者の一致のために 尽くしました。
あなたの栄光をたたえるすべての天使 聖人とともに、
わたしたちも あなたの愛のわざをたたえ
喜びにあふれて 賛美の歌を歌います。

拝領唱 (ヨハネ10・14、15参照)
主は言われる。「わたしは良い羊飼い。
わたしは自分の羊を知っており、羊も私を知っている。
わたしは羊のために命を捨てる」。

拝領祈願
父である神よ、あなたは聖フランシスコ・サレジオの祝日に、
聖なる食卓にあずかる喜びを 与えてくださいました。
日々の生活において、聖人の柔和と忍耐強い愛にならい、
あなたのみ国において、栄光をともにすることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

荘厳祝福
聖フランシスコ・サレジオの祝日に、
わたしたちを呼び集めてくださった父である神が、
愛と平和で皆さんを満たしてくださいますように。
アーメン。

教会に活動的な愛の模範、賢明で忠実な牧者を
お与えになった主キリストが、皆さんを福音の真の
あかしびとにしてくださいますように。アーメン。

キリストの民を導くため、聖フランシスコ・サレジオに
豊かな恵みを 与えてくださった聖霊が、聖人と同じ教えを
生きる恵みを注いでくださいますよう
に。アーメン。

全能の神、父と子と聖霊の祝福が皆さんの上にくだり、
常にとどまりますように。アーメン。

他の選択朗読

第一朗読 (エゼキエル34・11-16)
        見失った羊を探し、迷う羊を群れに戻す

答唱詩編(詩編23 典礼聖歌123)
答 主はわれらの牧者、
  わたしは乏しいことがない。

神はわたしを緑のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。 答

たとえ死のかげの谷を歩んでも、
わたしは災いを恐れない。
あなたがわたしとともにおられ、
その鞭と杖はわたしを守る。 答
あなたは はむかう者の前で、
わたしのために会食を整え、
わたしの頭に油を注ぎ、
わたしの杯を満たされる。 答

神の恵みといつくしみに 生涯伴われ、
わたしはとこしえに 神の家に生きる。 答

(または)
第一朗読(一コリント9・16-19、22-23)
        わたしはすべての人にすべてとなった

答唱詩編(詩編96 典礼聖歌3)
答 新しい歌を 主にうたえ。

新しい歌をうたおう。さあみ名を祝し
日に日をついで主の救いを告げよ。 答

人々に主の栄えと そのみわざを語ろう。
主は偉大な神 たたえうやまえ。 答

主は天地をつくられ 主の輝きは
そこに満ちあふれ 美しさがうつる。 答

(または)
第一朗読(エフェソ3・8-12、14-19)
     キリストの愛を知ることは、すべての知識に勝る

答唱詩編(詩編89 典礼聖歌38)
答 神のいつくしみを とこしえにうたい
  主のまことを代々に告げよう。

わたしはしもべダビドを選び、
尊い油を 彼に注いだ。
わたしの手はいつも彼と共にあり、
わたしの腕は 彼を強める。 答

いつくしみと まことは 彼とともにあり、
彼は わたしによって高められる。
彼はわたしに呼びかける。
「わたしの父、わたしの神、わたしの救いの力。」 答

 (または)
第一朗読 (知恵7・7-10、15-16)
        健康や美しさよりも知恵を愛する

答唱詩編(詩編16 典礼聖歌98)
答 しあわせな人、神の恵みを受け、
その喜びに生きる人。

(または)
第一朗読(知恵8・1-7)
      若い時から知恵を愛した

答唱詩編(詩編16 典礼聖歌98)
答 しあわせな人、神の恵みを受け、
その喜びに生きる人。

(または)
第一朗読(シラ39・8-14)
     知恵の言葉を語り、神の神秘を思い巡らす
答唱詩編(詩編37 典礼聖歌166)
答 喜びに心をはずませ、
  救いの泉から水を汲む。

 (または)
第一朗読(一コリント2・1―10a)
      栄光のために予定された神の知恵を語ろう
答唱詩編(詩編19 典礼聖歌147)
答 天は神の栄光を語り、
  大空はみ手のわざを告げる。

(または)
第一朗読(エフェソ4・1-7、11-13)
     キリストのからだを建てるために使徒とされた
答唱詩編(詩編37 典礼聖歌166)
答 喜びに心をはずませ、
  救いの泉から水を汲む。

アレルヤ唱 (ヨハネ10・14参照)
アレルヤ、アレルヤ。主は言われる。
「わたしは良い羊飼い。わたしは自分の羊を知っており、
羊もわたしを知っている。」アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読(ヨハネ10・11-16)
     良い羊飼いは羊のためにいのちを与える

(または)
福音朗読(マタイ11・25-30)
     これらのことを小さな人々に表されました

(または)
福音朗読(ヨハネ15・9-17)
     わたしがあなたがたを愛したように、愛しなさい

一月三十日  福者ブロニスラオ・マルケヴィッチ司祭 任意

一八四三年、南ポーランドのブルツニツクの寒村で、
貧しいけれども信仰のあつい家庭に、十一人
兄弟の六人目の子どもとして生まれる。
 小学生のとき、自分の席さえも確保されず、
休み時間には木の上で読書をしていた。彼の兄たち
が中学校に通っていたため、学費がなく、二年間、
待機させられた上、「信仰が盗まれた」と訴えさ
せるような無神論の教師に出会う。キリスト者と
して生きることに困難を感じていたにもかかわらず、
彼は熱心にひざまずいて祈り始めた。
 やがて、神学校の門をたたき、一八六七年、
司祭叙階される。その後、主任司祭、教授になり、
要理を教えるなどの活躍をしていたが、彼の関心は
貧しい人びと、とくに、若者の魂を教育によって
救う活動に専念することにあった。そのようなとき、
ブロニスラオは、北イタリアで同じ理想を
目指している修道会の存在を耳にし、イタリアに向かい、
サレジオ会のもとに留まることにした。
 こうして。一八八七年、最晩年のドン・ボスコの
指導を受け、ドン・ボスコ本人の前で誓願をたてる幸運を得た。
一八九二年、サレジオ会員として故郷に帰り、
ドン・ボスコの精神に照らされて、
自国の物質的、精神的救済を要する人びとのために
活動を始めた。
 膨れ上がる収容者の増加は場所的にも、金銭的にも、
本部の授助が必要になった。貧しいながら晴朗な雰囲気、
過酷と思える働きに対して、犠牲を惜しまない会員の姿を目の
当たりにした視察者の報告を受けた上長は、収容人員の削減と会員の
ゆとりのある扱い方の観告をした。
ブロニスラオは、聴罪司祭謙教区長と相談の上、
苦渋の選択をした。その結果、すでに、百人に達していた
困窮者の世話をする「信徒の会」を始めるために、
サレジオ会を退くにした。彼は、
この「信心会」に「労働や節制」のモットーを掲げさせ、
サレジオ会の霊性の香りを漂わせることにした。
 一九〇三年、クラコフの近くのパウリコビッチェに
「大天使聖ミカエル修道会」を創立することになり、
教会、授産所、収容施設は数を増やし、対象者は女性にも及んだ。
 不治の病に倒れたブロニスラオは一九一二年
十二月二十九日逝去。その九年後、彼の修道会は、
男女の「大天使聖ミカエル修道会」として、正式
に認可された。彼らは、サレジオ家族に加えられ、
「ミケリーチ」の称で呼ばれている。
 ブロニスラオは、額に汗して日々の糧を得ることを
力説し、労働を聖化し、節制、犠牲など、
現代の社会で軽視されがちな修徳を訴えた。
教皇ヨハネ・パウロ二世によって、二〇〇五年四月二十四日、
福者の列に加えられた。

 典礼ではドン・ボスコの生き方を祖国でそのまま
実践しようとしたブロニスラオを「見捨てられた若者の父、
保護者」(集会) とたたえ、会衆が「勤勉さと節制の模範」
(集会) にならうよう励ますのである。
現代への警鐘である彼の霊性は「奉仕の模範になら」う (奉納)
ことにより、会衆を「永遠のいのちに」(奉納) 
あずからせるのである。

入祭唱 (ルカ4・18参照)
主の霊がわたしの上におられる。主がわたしに油を注がれたから。
貧しい人に福音、捕らわれている人に解放、
目の見えない人には視力の回復、
圧迫されている人には自由、主の恵みの年を告げるため、
主がわたしを遣わされた。

集会祈願
あわれみ深い全能の神よ、あなたは見捨てられた若者の父、
保護者として 司祭ブロニスラオを 選ばれました。
わたしたちも彼の勤勉さと節制の模範に励まされて、
忠実にあなたに仕え、みこころに従うことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

奉納祈願
全能の神よ、福者ブロニスラオの記念日にささげる 
わたしたちの供えものを受け入れてください。
わたしたちも彼の奉仕の模範にならって
永遠のいのちにあずかることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領唱 (マタイ11・28)
疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしの
もとに来なさい。休ませてあげよう。

拝領祈願
父である神よ、あなたは御子の体と血で 
わたしたちを満たしてくださいました。
福者ブロニスラオを燃え立たせた熱愛によって、
一つの体、一つの心となることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

一月三十一日  聖ヨハネ・ボスコ司祭 祭日

一八一五年アステイのカステルヌオヴォで誕生。
ヨハネは母から、信仰と教えの手ほどきの一貫した
教育を受けた。わずか九歳で、彼は一つの夢から、
自分の使命が青少年教育に献身することにあると直感する。
 少年のころすでに、祈りや宗教的考えと遊びを
交互に取り入れて、仲間たちを楽しませていた。
一八四一年、司祭に叙階され、「わたしに霊魂を与えてください、
他のものは取ってください」を生活の信条として選び、
オラトリオを創設し聖フランシスコ・サレジオの保護の
もとにそれを置き、より貧しい青少年の間で、
自分の使徒職を始めた。
 彼は、道理・信仰・愛情に基づいた独自の教育スタイル、
予防教育(sistema preventivo) と、司牧的実践をもって、
少年や青年たちを、神の愛に成熟させ、兄弟たちをキリストに
出会わせ、信仰へと教育し、諸秘跡の祭儀に参加させ、
使徒職や職業を身につけさせた。
彼の教育法の多くの実りの中で、最も美しい果実として、
聖ドミニコ・サヴィオ(十五歳)がきわだっている。
 彼の疲れを知らない活動とその成果は、絶え間ない
「神との一致」と、彼が自分の全事業の霊感の与え主、
支えであると感じていた扶助者聖マリアへの絶大な
信頼によるものであった。また、彼の子どもたち、
サレジオ会員に、堅固なキリスト教的徳の上に基礎を置き、
「労働と節制」を一つに統合させ、簡素な修道生活の
スタイルを遺産として与えた。
 彼は、聖フランシスコ・サレジオ修道会を興すかたわら、
少年たちの中から、自分の事業の有能な協力者を探し、また、
聖マリア・ドメニカ・マザレロと共に、サレジアン・シスターズ
(Istituto delle Figlie dl Maria Ausiliatrice) を、そして、最後に、
善良で勤勉な男女が彼の事業に協力する、教会の使徒職の
非常に新しい形式の先駆けとなったサレジオ協力者会を創立した。
 一八八八年一月三十一日の彼の死から百年目に、
教皇ヨハネ・パウロ二世は、彼を「青少年の父・師」と宣言され、
そして「特に、自らをドン・ボスコの霊的子どもだと思い、
慕っているすべての人びとから、誉れと嘆願を受けることでしょう」
と言われた。

典礼文は、「青少年の父、友、兄弟、救いの同伴者として、
聖ヨハネ・ボスコを教会に遣わされ」た(叙唱) 偉大で、
「いつくしみの神」(叙唱)の再確認職、賛美の歌となっている。
 「青少年の父、教育者として」(集会) の姿は、
「いつも良いすすめ」(荘厳祝福)を与えながら、自分の教会に、
聖人たちを決して欠かすことのない神の摂理のしるし
として浮かびあがらせる。聖霊の働きかけに温順で、
おとめ聖マリアの教育に忠実な弟子ヨハネは、
すべてを「教会のために」(集会)、「新しい時代を見通し」て(叙唱)
挑戦し、「正しい知恵と生き生きとした信仰を
もって人生に立ち向かうよう」(叙唱) 備えさせながら
若者たちを教育する疲れを知らない使徒であった。
 本日の聖体祭儀への喜びに満ちた参加は、
「洗礼の約束」(荘厳祝福)、すなわち「信仰、希望、愛」
(荘厳祝福) のうちに歩むつとめを思い出させる。
つまり、各人の生活が、御父の「栄光の賛歌となる」
(奉納) ように、また、すべての人びとが天の永遠の宴に、
いつの日か参列することができるように、
「喜びをもって人びとに奉仕」(荘厳祝福) しながら、
兄弟たちの救いのために働くように促す。
そのため、会衆は聖ヨハネ・ボスコの考えと
模範に喜びをもって従い、「父、教育者としての使命」
(叙唱) を教会の中で継続していくために、
「疲れにうち勝つ熱意を」(拝領) もって行動する
「使徒的愛」 (集会) のたまものを嘆願する。

入祭唱 (詩編34・12、6参照)
民よ、来て、わたしに尋ねよ。
神をおそれることを教えよう。
神をあおぎ見る人の顔は輝き、
恥を受けることはない。

集会祈願
父である神よ、あなたは、いつくしみ深い
はからいによって、聖ヨハネ・ボスコを
青少年の父、教育者として
わたしたちにお与えになりました。
聖ヨハネ・ボスコは、おとめマリアの導きのもと、
疲れにうち勝つ熱意をもって、教会のために働きました。
わたしたちもあなたに仕え、人々の救いのために献身できるよう
同じ使徒的愛に燃え立たせてください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

第一朗読(エゼキエル34・11-12、15-16、23-24、30-31)
         わたしは彼らのために一人の牧者を起こす

答唱詩編(詩編23 典礼聖歌123)
答 主はわれらの牧者、
  わたしは乏しいことがない。

神はわたしを緑のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。 答
たとえ死のかげの谷を歩んでも、
わたしは災いを恐れない。
あなたがわたしとともにおられ、
その鞭と杖はわたしを守る。 答

あなたは はむかう者の前で、
わたしのために会食を整え、
わたしの頭に油を注ぎ、
わたしの杯を満たされる。 答

神の恵みといつくしみに 生涯伴われ、
わたしはとこしえに 神の家に生きる。 答

第二朗読 (フィリピ4・4-9)
        学んだこと、見たことを実行しなさい

アレルヤ唱 (ヨハネ13・15参照)
アレルヤ、アレルヤ。わたしが行ったように、
あなたがたも行うよう、わたしは模範を与えた。
アレルヤ、アレルヤ。

福音書 (マタイ18・1-6、10)
      このような一人の子供を受け入れる者は
                わたしを受け入れる
共同祈願
皆さん、青少年の父、また教師である聖ヨハネ・
ボスコをたたえ、父である神に、わたしたちの
お祈りをささげましょう。

答 父よ、わたしたちの祈りを聞きいれてください。

歴史の中で聖なる「時の人」を教会に与えられる神が、
現代にも熱意にあふれる使徒、信仰の教師、
霊的指導者を与えてくださいますように。 答

貧しい人、弱い立場にいる人、さげすまれ疎外
されている人びとを助けるために、利己主義を
克服し、勇気をもって行動できますように。 答

サレジオ家族が若者への奉仕にすべてをささげた
聖ヨハネ・ボスコにならい、キリストの似姿を
若者のうちに形成することができますように。 答

放任、疎外され、理想をもてない若者たちが
創立者の意志を継ぐサレジオ会員との出会いによって、
福音の光がともされますように。答

若者の教育に貢献する人びとが、
聖ヨハネ・ボスコの中に、
使命の模範を見いだすことができますように。答

その他の意向

聖ヨハネ・ボスコに、豊かで広い心をお与えに
なった恵み深い神よ、あなたの霊に導かれて生きる
恵みを与えてください。  
 わたしたちの主 イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領祈願
聖なる父よ、信頼をもってささげる 
この供えものを受け入れてください。
わたしたちの生活が、栄光の賛歌となるため、
すべてに越えて あなたを愛することができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

奉納祈願 (修道共同体用)
主である神よ、あなたに奉献した わたしたちの
生活のしるしとして この供えものを受け入れてください。
わたしたちの父、教育者である聖ヨハネ・ボスコの
教えと模範に喜びをもって ならうことができるよう、
心を新たにしてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱  -聖ヨハネ・ボスコ 神が教会に与えた賜物-
聖なる父、いつくしみの神、救い主、御子キリストによって、
あなたの栄光をたたえ、賛美と感謝をささげることは、
まことにとうとい たいせつな務め(です)。
あなたは限りない愛によって 青少年の父、兄弟、友、
救いの同伴者として、聖ヨハネ・ボスコを教会に遣わされました。
聖人は新しい時代を見通し、正しい知恵と生き生きとした
信仰をもって人生に立ち向かうよう 青少年を導きました。
また、あなたの霊にうながされ、
世界のすみずみまで父、教育者としての使命がひきつがれるよう
ひとつの家族を興しました。
ここに喜び集うわたしたちは、あなたの栄光をたたえ、
すべての天使 聖人とともに、声を合わせて 賛美の歌を歌います。

拝領唱 (マタイ18・5参照)
主は言われる。「わたしの名のために、
これらの一人の子供を受け入れる人は、わたしを受け入れる」。

拝領祈願
救いの秘跡によって わたしたちを養ってくださった父よ、
新しいいのちの尽きぬ泉、御子キリストの愛に
青少年を導くため、聖ヨハネ・ボスコの
疲れにうち勝つ熱意を、わたしたちにも
学ばされてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領祈願  (修道共同体用)
父である神よ、あなたは聖ヨハネ・ボスコを
記念する喜びの日に、わたしたちを 
ご自分の食卓に集め、いのちの糧で養ってくださいました。
聖霊に導かれ、わたしたちの行いがあなたをあかしし、
いつの日か 永遠のうたげにあずかることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

荘厳祝福
いつも良いすすめを与えてくださる主が、
皆さんを恵みによって常に守り、
洗礼の約束に忠実な者としてくださいますように。
アーメン。

聖なる創立者の模範にならい、喜びをもって人々に
奉仕するよう、良い牧者であるキリストが、
わたしたち(皆さん)に助けを与えてくださいますように。
アーメン。

聖ヨハネ・ボスコの祝日を喜び祝った
わたしたち(皆さん)が、信仰、希望、
愛の霊に満たされますように。
アーメン。

全能の神、父と子と聖霊の祝福が皆さんの上にくだり、
常にとどまりますように。
アーメン。

他の選択朗読

第一朗読 (エレミヤ3・14-18)
      わたしは心にかなう牧者を与える

答唱詩編(詩編19 典礼聖歌124)
答 主よ、あなたは永遠の いのちのことば。

(または)
第一朗読 (エレミヤ23・1-6)
        群は子を生み、数を増やす

答唱詩編(詩編33 典礼聖歌46)
答 神の注がれる目は、神をおそれる者に、
  神の愛に希望を おく者の上に。

(または)
第一朗読 (エレミヤ1・4-9)
        つかわすところに行きなさい

答唱詩編(詩編96典礼聖歌3)
答 新しい歌を 主にうたえ。

(または)
第一朗読(エゼキエル3・16-21)
    戒められて、あなたは自分を救い、彼は生きる

答唱詩編(詩編117 典礼聖歌397)
答 すべての国よ 神をたたえ。

第二朗読 (ローマ4・13-18、20-22)
          彼はわたしたちすべての父です

(または)
第二朗読 (ローマ12・3-13)
      与えられた恵みによって、異なった賜物を持つ
(または)
第二朗読 (一ペトロ4・7b-11)
      他の人への奉仕のためにそれを使いながら
       人はそれぞれ頂いた恵みによって生きる
(または)
第二朗読 (一ペトロ5・1-4)
      委ねられた神の羊の群れを牧しなさい

福音朗読 (マタイ5・13-19)
      掟を守り教える人は、天の国では偉大な者
(または)
福音朗読 (マタイ22・34-40)
      神である主とあなたの隣人を愛しなさい
(または)
福音朗読 (マルコ9・33-37)
      幼な子を受け入れる者はわたしを受け入れる
(または)
福音朗読 (マルコ10・13-16)
     子供たちをわたしのところに来させなさい
(または)
福音朗読 (ルカ22・24-30)
   わたしは仕える人としてあなたたちの中にいる

二月一日  帰天したサレジオ会員の追悼

帰天した会員たちを追悼する聖体祭儀において、
彼らの冥福を祈るとともに、若者の善のために、
福音的勧告の実践をもって、聖ヨハネ・ボスコ
とともに動くことを誓約し、主の声に応えた寛大な
多くの兄弟たちを、ご自分の教会にお与えに
なった神の恵みに、感謝しなければならない。
 わたしたちの父、兄弟たちは、貴重な遺産を残している。
彼らは今なお思い出の中に生き、ある者は神の喜びの中にあり、
また、つつましく隠れた生活を送った人たちは、
『霊簿』の中に名前を留めている。
 わたしたちの聖なる集会は、教会の中で、
兄弟たちが全うした神の恵み、その善業を思い出し、
その徳を心から賛美する。忠実と感謝から
あふれ出るこの追悼は、黙想会中にも行われる。
それは、彼らが働き、信じ、希望し、苦しみ、
愛しつつ生きたその道をしのびながら、
わたしたちがますます熱心に
歩み続ける支えとするためである。

キリストの「あがないの死」 (叙唱) から照らされた
死の神秘の前で、典礼文は「すべてに越えて
神の国を求める人びとに、終わりのない幸せを約束」
(集会)された「限りなくいつくしみ深い父」
 (集会) に対する信仰へと、会衆を招いている。
 会衆は、いのちを与え、摂理によって導き、
支えられる神なる父に、亡くなった兄弟たちをゆだね、
「聖ヨハネ・ボスコのあとに従って歩み、
福音の奉仕に生涯をささげ尽くし」 (集会)、
「青少年への奉仕と司牧の務めを果たし終え」(奉納)、
主の「ぶどう畑で、生涯働いた」 (拝領) 彼らを思い出す。
そして、主の到来を待望している彼らのために、神の「み顔」
(集会) を永遠にあおぎ見ることができるよう、
「忠実なしもべに約束された報い」(拝領)、「和解」、
「ゆるしと永遠の喜び」 (奉納)、「復活の栄光」
(叙唱) を嘆願する。
 しかしまた、彼らを記念することは、キリストの
過越の記念の犠牲において、すべての兄弟が教会の中で、
招かれた福音の奉仕の「道を忠実に歩み続ける恵みを」
(集会)与えてくださるようわたしたちに嘆願させる。

入祭唱
主を信じたわたしたちは、その日、神の光のうちに生きる。
そこにはイエス・キリストの備えられた
忠実なしもべへの報いがある。

集会祈願
限りなくいつくしみ深い父よ、
あなたは、すべてに越えて神の国を求める人々に、
終わりのない幸せを約束してくださいました。
あなたのもとに召されたわたしたちの兄弟
(サレジオ会員)を受け入れてください。
彼らは聖ヨハネ・ボスコのあとに従って歩み、
福音の奉仕に生涯をささげ尽くしました。
この兄弟たちには、あなたのみ顔を あおぎ見る恵みを、
わたしたちには招かれた道を 忠実に歩み続ける恵みをお与えください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

第一朗読 (イザヤ25・6-8a、9)
       主は、死を永久に滅ぼしてくださる

答唱詩編(詩編122 典礼聖歌21)

答 うるわしい神の家、エルサレム、
  壁も塔も輝いて立つ。

「神の家に行こう」と言われて、
わたしの心は喜びにはずんだ。
エルサレムよ わたしたちは いま、
おまえの門のうちに立っている。 答

しげく連なる町、エルサレム、すべての民の都。
そこにはイスラエルの部族、
神の民がのぼって来る。 答

イスラエルのおきてに従い、
神に感謝をささげるために。
そこにはさばきの座、
ダビデの家の座がすえられている。 答

平和を祈ろう、エルサレムのために。
わたしの兄弟、わたしの友のために、
エルサレムの上に恵みを願おう。
その城壁、その宮殿のうちに平和。 答

アレルヤ唱 (マタイ24・46参照)
アレルヤ、アレルヤ。主人が帰って来たとき、
言われたとおりにしているのを 見られる
しもべは幸いである。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (ルカ12・35-48)
    多く与えられた者は、多く求められる
共同祈願
兄弟の皆さん、わたしたちの死においても、
復活が約束されています。信仰をもって父なる神に
祈りましょう。

答 主よ、わたしたちの祈りを聞き入れてください。

主のもとに召された兄弟を祈念し、神がご自分を
愛する者のために準備された新しい天と地を、
人びとに告げ知らせることができますように。答

聖ヨハネ・ボスコに従って信仰の道を生き、
世を去った兄弟たちの追悼が、わたしたちに同じ
忠実さを生き抜く力となりますように。 答

わたしたちの使命の対象となる人々が、
キリストの死と復活の神秘に照らされ、目覚めた
しもべとして生きていくことができますように。 答

キリストにおいて眠りについた兄弟が、「忠実でよい
しもべよ、あなたの主人と喜びを共にしなさい」
との慰めのことばを聞くことができますように。 答

人知れず苦しんだ兄弟たちが、「あなたたちのために
用意された国に入りなさい」という神のことばを、
味わうことができますように。 答

この祭儀に参加するわたしたちが、正義と愛の
わざをとおして、すべての兄弟たちと、復活への
信仰を分かち合うことができますように。 答

その他の意向

父よ、復活への期待を、わたしたちのうちに生き生きと
したものにし、心の中に抱く希望を、生活をもって
あかしすることができるよう助けてください。
  わたしたちの主イエス・キリストによって。
  アーメン。

奉納祈願
父である神よ、このいけにえを和解のしるし
として受け入れ、青少年への奉仕と司牧の
務めを果たし終え、あなたのもとに召された
サレジオ会員に、ゆるしと永遠の喜びをお与えください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱 -地上の生活から永遠の栄光へ-
聖なる父、全能、永遠の神、
いつ、どこでも主キリストによって 
賛美と感謝をささげることは、
まことにとうといたいせつな務め(です)。
あなたは わたしたちにいのちを与え、
摂理によって、導き 支えてくださいます。
わたしたちの体は ちりにもどるとしても、
あなたは 御子のあがないの死によって、
わたしたちを 復活の栄光にあずからせ、
喜びに満たされます。
あなたの救いのわざをたたえるすべての天使 
聖人とともに、わたしたちもつつしんでほめ歌います。

拝領唱 (ルカ12・36-37)
主人が婚宴から帰って来て戸をたたくとき、
すぐに開けようと待っている人のようにしていなさい。
主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを
見られるしもべたちは幸いだ。  

拝領祈願
父である神よ、聖なる食卓にあずかり 
恵みのパンによって力づけてくださいました。
あなたのぶどう畑で、生涯 働いた兄弟
(サレジオ会員) を抱き迎え、忠実なしもべに
約束された報いを お与えください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

他の選択朗読

第一朗読(ローマ14・7-9、10c-11)
       生きるにしても、死ぬにしても主のために

答唱詩編(詩編103 典礼聖歌93)
答 心を尽くして神をたたえ、
  すべての恵みを心に留めよう。

(または)
第一朗読 (一テサロニケ4・13-14、17b-18)
    眠りについた人について、無知であってほしくない

答唱詩編(詩編23 典礼聖歌123)
答 主はわれらの牧者、
  わたしは乏しいことがない。

(または)
第一朗読 (ヘブライ11・1-3、8-10、13-16)
        この人たちは皆、信仰を抱いて死にました
答唱詩編(詩編122 典礼聖歌173)
答 わたしたちは神の民、このまきばの群れ。

(または)
第一朗読 (一ヨハネ3・14、16-20)
       死からいのちに移ったことを知っている

答唱詩編(詩編25 典礼聖歌77)
答 神よ あなたの道をしめし
  あなたの小道を 教えてください。

(または)
第一朗読 (黙示録21・1-5a、6b―7)
    もはや死はなく、悲しみも嘆きも苦労もない

答唱詩編(詩編30 典礼聖歌65)
答 神はわたしを救われる。
  そのいつくしみをたたえよう。

第二朗読

アレルヤ唱 (マタイ11・25参照)
アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である神は
たたえられますように。あなたは神の国を小さい人びとに
現してくださった。アレルヤ。

福音朗読(マタイ25.34-36、40b)
          用意された国を受けなさい

(または)
アレルヤ唱(ヨハネ3・16参照)
アレルヤ、アレルヤ。神はひとり子をお与えに
なるほど世を愛してくださった。アレルヤ。

福音朗読 (ヨハネ6・37-40)
     終わりの日に、その人を復活させる

(または)
アレルヤ唱 (ヨハネ11・25参照)
アレルヤ、アレルヤ。わたしは復活であり、
いのちである。アレルヤ。

福音朗読(ヨハネ12・23-26)
     一粒の麦が地に落ちて死ねば、豊かな実を結ぶ

(または)
アレルヤ唱 (フィリピ3・20参照)
アレルヤ、アレルヤ。わたしの国籍は天にあり
そこから来られる 救い主イエスを持っている。
アレルヤ。

福音朗読(ヨハネ14・1-6)
       父の家には住むところが多い

二月九日 福者エウセビア・パロミーノ修道女  任意(FMA記念)
 
スペインのカンタルピーノで一八九九年に誕生。
非常に貧しい生活を強いられたが、家庭にはキリストの
平和が満ちあふれていた。幼いエウセビアは物質的な
食べ物には恵まれなかったが精神的な喜びを味わっていた。
 母親が夕食を準備する間、父親は娘たちに、
神の教えを説いていた。しかし、父親のけがにより
収入が途絶えたとき、カスティリア地方の寒さに
耐えるため、父親と二人で、村から村をまわり、施しを受けるため
戸口に立つまでの貧しさに追いやられた。
 八歳から十二歳まで、近所の家庭のベビーシッターと
家事手伝いとして、さらには、サラマンカ市では家庭教師として
雇われるが、やがて、ホームシックにかかり、家に帰る。
彼女は、再び、貧しく見捨てられた老人たちのヘルパーとして
雇われて生活をしているうちに、サレジアン・シスターズの
オラトリオに行き、祈っているとき、聖母の招きを聞く。
シスターズの好意により家事手伝いとして住み込むことになる。
十八歳のときのことである。
 やがて、召命を感じ、さまざまな困難や試練にあいながら、
奉献生活の道を準備した。一九ニ四年、誓願式の数か月前、
地下室で転び、手にしていた瓶が割れ、腕の動脈切断と出血多量の
ためひん死の状態に陥った。エウセビアの修道生活への強い願いは
聞き入れられ、延期された立願は、八月に受け入れられた。
 立願後、ヴァルヴェルデに送られ、修道女としての
生涯をそこで過ごすことになった。院長と四人の同僚を助けて、
家事のさまざまの用務をこなし、オラトリオの責任も果たした。
子どもたちから、平凡でおとなしいと思われたエウセビアは、
非凡な魅力を輝かせて、少女たちの心をとらえていった。
 このころから、奇跡を行う恵みが与えられた。
深い霊性がそれに伴い、聖母の娘は「マリアの奴隷」になることを
自らの謙そんな行いで示した。
そのころに始まったスペインの内乱に際して祖国の
救いのために、いけにえとして神に身をささげた。
それに呼応するかのごとく、エウセビアは侵入者に殴打されて、
持病のぜんそくも併発し、三年間の長期にわたり激痛に悩まされた。
その病床を訪れた院長のカルメン・モラノに殉教を予言した。
 一九三五年二月十日の早朝、晴れやかな表情を見せて、
三十六歳の苦難に満ちた生涯を神にささげた。
 二○○四年四月二十五日、教皇ヨハネ・パウロ二世に
よって福者の列に加えられた。

典礼は、「過越の神秘のうちにいのちをささげ」た
(集会) を福者の生涯を絶賛し、「謙そんと喜び」
(集会) を会衆が模範とするように励ます。
さらに「貧しい人びとへの奉仕に励む」(集会)ように
促すのである。

集会祈願 (おとめ共通)
神よ、あなたは福者エウセビアの心を 過越の
神秘のうちに いのちをささげるまでに形づくられました。
福者の謙そんと喜びの模範に強められて、
絶えずあなたの愛のうちに成長し、
貧しい人々への奉仕に励むことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

二月二十五日 記念
      
 聖アロイジオ・ヴェルシリア司教と
       聖カリスト・カラヴァリオ司祭 殉教者  
 
アロイジオ・ヴェルシリアは一八七三年、
北イタリアのパヴィアにあるオリヴァ・ジェッシで誕生。
十二歳のとき、ドン・ボスコに小神学生として
受け入れられ、一八九五年司祭叙階、その後十年間、
ローマのジェンツァノで修練長を務めた。
 一九〇六年、ドン・ボスコが繰り返し言っていた
あの中国宣教の預言が実現した第一回
サレジオ会員派遣が行われ、その責任者に選ばれた。
マカオにサレジオ会の拠点を置き、
シュウチョウの宣教を開始した。
そして一九二〇年四月二十二日その地域の初代司教となる。
聡明で疲れを知らない、真の牧者であった彼は、
自分の羊たちのためにすべてをささげて献身し、
管轄区域に神学校、養成のための家々、
会員のための支部や小教区の司祭館、孤児院、高齢者のための
施設などを建て、しっかりした土台を築いた。
権威者というより父として動き、兄弟たちの力の
限界をまず考慮した上で、事の願うという愛徳の模範を与えた。

 カリスト・カラヴァリオは一九〇三年、
トリノのクオルニエで誕生。一九二二年にトリノで
ヴェルシリア司教に出会ったとき、
「中国であなたに追いつくと思います」と言い、
その言葉どおり、二年後中国に向けて出発した。
司祭叙階後も、自分の修道奉献にいつも忠実で、
絶えず燃えるような愛徳によって生かされていた。

一九三〇年二月二十五日、二人の教師と二人の
女性カテキスタ、それに一人の女子卒業生と共に、
リンチョウの管轄区を司牧に訪問するヴェルシリア司教に
同行していたとき、川がせき止められたとことで、
突然、賊に襲われた。若い女性たちを逃がそうとしているうちに
(さいわい彼女たちは逃げることができたが)、純潔を大切にする
キリスト教の信仰に対する賊たちの憎しみのため、
二人の宣教師は殴打されたあげくに銃殺された。
 このようにして、二人は、サレジオ会の最初の
殉教者とたたえられることになった。
 教皇ヨハネ・パウロ二世は、「力の弱い人びと、貧しい人びとの
擁護者、罪と死の悪に対する勝利者として、真理と正義によって、
羊に自分のいのちを与えた福音的牧者の理想」
である彼らに感謝し、一九八三年五月十五日、「サレジオ会の最初の
殉教者」として列福、また、二〇〇〇年十月一日、列聖した。

典礼上の構成はアロジオとカリスト両殉教者の勝利の喜ばしい
高まりに満ちている。永遠に存在する教会において、
彼らがキリストを世界にあかしし、「今」
キリストが御父の前で彼らに栄光を与えられたからである。
「殉教者聖アロイジオ・ヴェルシリアと
聖カリスト・カラヴァリオの勝利を祝おう」
(入祭) と叫び、喜びを表す。
彼らは神が「弱い人びとの中に……殉教にいたる力
が注がれ」る(叙唱) 父であることをあかしし、
感嘆すべき血をもってそのことを証明した。
「福音を告げ、人間の尊厳を守るため、死に至るまで戦う力を」
もって (集会) あかししている。
 会衆は、人としての苦しみを「御子の受難にあやか」る(拝領) 
という模範から、「御子のとうとい受難」
(奉納) の生きた証明として、日常生活の中での殉教を
生きなければならないことを理解する。
また、それが聖体祭儀をもって、キリストの受難と栄光の
秘儀を記念する理由でもある。
 会衆は「いつの日かキリストの復活の栄光にあずかる
ことができ」ること (拝領) を願って、父なる神に、
「忍耐強い信仰と実践的な愛をもって」
  (集会)、殉教者の模範にならう力を求める。
「ことばと模範によって励まされ」た (奉納)
キリストのように、会衆は日常生活における十字架の道を、
師キリストに従うように必要な助けを受け、
天の食卓につく者となるため「いのちのパンと救いの杯」
(拝領) に近づく。

入祭唱
殉教者聖アロイジオ・ヴェルシリアと
聖カリスト・カラヴァリオの勝利を祝おう。
彼らは人々にキリストを示し、
キリストは天の父のみ前で、彼らに栄光を与えられた。

集会祈願
いつくしみ深い全能の神よ、あなたは
聖アロイジオ・ヴェルシリアと聖カリスト・カラヴァリオに、
福音を告げ、人間の尊厳を守るため、
死に至るまで戦う力を 与えられました。
わたしたちも 忍耐強い信仰と実践的な愛をもって、
彼らにならうことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

第一朗読 (ローマ8・31b-39)
     だれも、キリストの愛から引き離せない

答唱詩編(詩編62 典礼聖歌121)
答 主はわれらの支え、主はわれらの柱。

わたしは静かに神を待つ。
わたしの救いは神からくる。
わたしはけっしてゆるがない。 答

神はわたしの力、わたしののがれ場。
救いと栄えは神にある。
いつも心を開き、すべてをゆだねよう。 答

力は神のもの、いつくしみもまた主のもの。
神のわざに応じて 人に報いを与えられる。 答

アレルヤ唱 (マタイ10・32参照)
アレルヤ、アレルヤ。主は言われる。「人びと
の前でわたしの仲間であると言い表す人を、
わたしもまた、父の前で、わたしの仲間であると言おう」。
アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (マタイ10・26-28、32-34、39)
       魂を殺せない者を恐れることはない

共同祈願
兄弟の皆さん、殉教者聖アロイジオ・ヴェルシリアと
聖カリスト・カラヴァリオたちの取り次ぎによって、
父なる神に、わたしたちの祈りをささげましょう。

答 主よ、 殉教者の取り次ぎによって、救いの
  恵みをわたしたちに。

聖ヴェルシリアと聖カラヴァリオのとうとい
犠牲によって、十字架のあがないの神秘に、
教会が強く結ばれることができますように。 答

宣教に奉仕する人びとが、神の国の到来と発展を
願い、聖なる使命を寛大に果たし、人びとを
キリストへ導くことができますように。 答

祖国を離れて宣教活動に従事している人びとが、
真理と正義、平和の実現のために、福音の種を
蒔き続けることができますように。 答

若者が、キリストの声に耳を傾け、教会の奉仕に
招きに従うことができますように。 答

殉教者にならって、キリストの受難の欠けたところを
補うため、わたしたちが日々の苦しみや困難を
ささげることができますように。 答

その他の意向

聖アロイジオ・ヴェルシリアと聖カリスト・カラヴァリオに
いのちをささげて福音をあかしする力を与えられた神が、
聖霊の働きによってわたしたちを新たにし、使徒として生きる
恵みを与えてください。
 わたしたちの主 イエス・キリストによって。
 アーメン。

奉納祈願
聖なる父よ
聖アロイジオ・ヴェルシリアと聖カリスト・カラヴァリオの
栄光の殉教を記念し、この供えものをささげて祈ります。
あなたは 殉教者たちをことばと模範によって励まされました。
御子のとうとい受難に わたしたちも
あやかることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

叙唱  -殉教者のしるしと模範-
聖なる父、全能永遠の神、
いつどこでもあなたの偉大なわざをたたえ、
感謝をささげることは、まことにとうといたいせつな務め(です)。
聖アロイジオ・ヴェルシリアと聖カリスト・カラヴァリオは
あなたの恵みに強められ、
いのちをささげて 御子キリストにならい、
あなたのみ名を高めました。
主キリストによって、弱い人びとの中に
あなたの偉大な力が示され、殉教にいたる力が注がれます。
あなたをたたえる天使 聖人とともに、
わたしたちもあなたの栄光をたたえ、感謝の歌を歌います。

拝領唱 (ルカ22・28-30参照)
主は言われる。
「試みの間、あなたたちのために神の国を備えよう。
そこでわたしともに、食卓に着く」。

拝領祈願
父である神よ、いのちのパンと救いの杯にあずかり、
喜びに満たされ祈ります。
隣人への愛のためにいのちをささげた 
聖アロイジオ・ヴェルシリアと
聖カリスト・カラヴァリオの模範に支えられ、
御子の受難にあやかり、わたしたちも苦しみに耐え、
いつの日か キリストの復活の栄光に
あずかることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

他の選択朗読

第一朗読 (知恵3・1-7a、8b-9)
     神は供え物としてかれらを受け入れられた

答唱詩編(詩編16 典礼聖歌98)
答 しあわせな人、神の恵みを受け、
  その喜びに生きる人。

神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、
わたしの受ける杯。
わたしの道を開くかた。 答

わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、
わたしはけっしてゆるがない。 答

あなたはいのちの道を示してくださる
あなたの前にはあふれる喜び、
あなたのもとには永遠の楽しみ。 答

(または)
第一朗読 (一ペトロ4・12-14、16-19)
      キリストの名のために侮辱される者は幸い

答唱詩編(詩編126 典礼聖歌107)
答 主とともに動くわれらは、
  主とともにその実りを味わう。

神が捕らわれ人をシオンに戻されたとき、
わたしたちは夢を見ている思いがした。
わたしたちの顔はほほえみ、
口には喜びの歌が浮かんだ。 答

雨のあとにネゲブの川が流れを取り戻すように
神よ、わたしたちに栄えを戻してください。
涙のうちに種まく人は、喜びのうちに刈り取る。 答

種を手に涙を流して出て行く人は、
束をかかえ、喜びにあふれて帰ってくる。
神はわたしたちに偉大なわざをおこなわれ、
わたしたちは喜びにあふれた。 答

アレルヤ唱 (ヨハネ12・24参照)
アレルヤ、アレルヤ。一粒の麦が地に落ちて
死ななければ、一粒のまま残る。死ねば多くの
実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (ヨハネ12・24-26)
      一粒の麦が死ねば、多くの実を結ぶ

三月十二日   福者アロイジオ・オリオーネ司祭   任意

 一八七二年、アレッサンドリアのポンテクローネで誕生。
一八八六年にトリノのドン・ボスコの門をたたき、
聖人が最期の病床にあったとき、彼のために自分の
若いいのちを主にささげて祈った。
彼はサレジオ会員になろうとしていたが、ドン・ボスコの死後、
異なる召命があるのを感じたので、トルトーナの神学校に入り、
一八九二年、彼に賛同する同志神学生たちと、彼に追従した
何人かの司祭たちと共に寄宿学校を設立した。
オリオーネは司祭叙階後、ドン・ボスコの精神に息吹かれ、
青少年のためによりいっそう広大な使徒職を始めた。
イタリア、ヨーロッパ、アメリカを回り、緊急な必要に応じて、
愛徳の事業を少しずつ拡大していった。
 「神の摂理の小さな事業」と「愛徳宣教の小さな姉妹会」
そして、より深い祈りの生活のための
「神の摂理の隠修土会」を創立。トルトーナに、
自分の全事業のセンターとして「見晴らしの聖母」
(la Madonna della Guardia) へ記念聖堂を建てた。
一九四〇年三月十二日、インぺリア(リグアーナ)のサンレモで死去。
教皇ヨハネ・パウロ二世は、一九八〇年十月二十六日、彼を列福した。

 集会祈願は、「いつくしみ深い神」からの多くの
たまもののために、神をたたえ彼に与えられた恵みを
賛美するよう招いている。これらの中で教会は、神の民の
善のために全力を尽くして「貧しい人びとと青少年に尽くし、
御子キリストに仕え」た福者アロジオ・オリオーネの生涯と、
事業を評価している。
 御子の限りない愛の祭典にあずかることによって、
神と兄弟たちにより一層寛大な献身をするために、
「愛のわざ」を日々体験するよう、新たな約束を
会衆に促している。それは、神の「愛のやさしさ」の
生きた経験をするため、また、良い忠実なしもべに約束された、
同じ栄光の冠を分かち合うためである。

集会祈願 (司牧者共通)

いつくしみ深い神よ、
福者アロイジオ・オリオーネは、貧しい人々と青少年に尽くし、
御子キリストに仕えました。
わたしたちも愛のわざに励み、あなたの愛のやさしさを、
日々 体験することができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

三月十五日   福者アルテミデ・ザッティ修道者  記念 (FMA 任意)

  一八八〇年、南イタリアのレッジョ・エミリアで誕生。
ザッティ家は非常に貧しい生活をしていた。
そのために、九歳のときには若年就労者として家族を助けた。
 十六歳のとき、家族と共にアルゼンチンのパイヤ・ブランカに
移住し、サレジオ会支部の近くに居をかまえた。
このころ、手渡された「ドン・ボスコ伝」を読み、
サレジオ会に関心を抱き、入会を志願した。
一九〇〇年、二十歳のときである。
勉学のかたわら、肺結核を患う会員の世話をし、自らも、
二十二歳のとき、感染したが、扶助者聖母の
介入により、回復した。
 一九〇八年一月十一日に立願。その後、
サレジオ会修道士として、病者の奉仕にささげられた
日々を送った。人々から「ドン・ザッティ」、「看護師」
と愛され、身内のように貧者に接した。
 新しい病院を建て運営し、給料を払い患者を無料で治療し、
医療費を得るため自転車に乗って市内を走り回り、
「自転車に乗った聖者」と称された。
その生き方とたくみなユーモアのゆえに、彼自身が薬となった。

 一方、ザッティ修道士は、より効果的な使徒職
遂行のため、資格を有する必要を認め、夜間は
その準備の勉学にあて、看護師の経験に合格した。
七十歳のとき、病院の水槽の修理のため、屋上に
上り、足を滑らせてしまう。これを機に闘病生活を余儀なくされ、
すすんで秘跡にあずかり、一九五一年三月十五日、逝去。
彼の葬儀は凱旋式のよう盛大なものであった。
 二〇〇二年四月十四日、教皇ヨハネ・パウロ二世から列福された。

集会祈願において、ザッティ修道士を「謙そんな者、
小さい者」とし、彼の療養体験を「驚くべき方法」
として神のはからいをたたえ、さらに、「心と
体の痛みを負った兄弟のうちに、キリストを目の
あたりに見」たと祈り、会衆の心をゆさぶるのである。

集会祈願 (修道者共通)
いつくしみ深い神よ、あなたは大いなる恵みのわざを、
謙そんな者、小さい者のうちに
驚くべき方法で示してくださいました。
福者アルテミデ・ザッティの取り次ぎによって
心と体の痛みを負った兄弟のうちに、
キリストを 目のあたりに見ることができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

五月六日  聖ドミニコ・サヴィオ  祝日

一八四二年、トリノのキエリの近く、リヴァの
サン・ジョヴァンニで誕生。七歳で初聖体を受けたとき、
自分の生涯の計画を次のように定めている。
「しばしばゆるしの秘跡を受けること。
聴罪司祭の許可があるごとに、毎回、
聖体拝領をすること。祝祭日を聖なる日にしたい。
イエスさまとマリアさまがぼくの友だちであるように。
罪を犯すより死を」。
 十二歳のとき、ドン・ボスコからトリノのオラトリオに入る
許可を受けたとき、「聖人になれるよう助けてください」
と彼に願いでた。ドミニコは温和で、いつも平静で明るく、
生徒としての義務を立派に果たし、キリストの教えを友だちに
説き、病気のときは世話し、けんかをしているときは仲裁
したりしながら、仲間たちの必要に応え、奉仕していた。
ある日、オラトリオに入ったばかりの仲間に、「ぼくたちはここで、
ものすごい喜びの中で聖性に達するんだよ」、
「ただ、神さまの恵みと心の平和をなくしたり、ぼくたちが
しなくてはならない務めを邪魔する罪だけを、
ぼくたちの最悪の敵のように避けるようがんばろう」と言っている。
 ドミニコは、諸秘跡に参加、聖母に対する子としての
信心をもち、明るく振る舞いながらも犠牲に励み、神からのたまものと
カリスマに満たされて、自分の決意に最後まで忠実であった。
一八五四年十二月八日、教皇ピオ九世によって
「マリアの無原罪の御宿り」の信仰筒条が宣言されたとき、
ドミニコは聖母に自分を奉献し、聖性に急速な進歩をとげた。
彼はまた、一八五六年、グループによる使徒的活動、
「無原罪の聖母の信心会(コンパニア)」を、
彼の友人たちの間で結成した。
 ドミニコは、一八五七年三月九日、モンドニオで死去。
教皇ピオ十一世は、「この子は小さい。しかし、なんとこの子の
精神は偉大な巨人であることよ」と彼を賞賛された。
教皇ピオ十二世は一九五〇年、彼を、福者に、そして、
一九五四年六月十二日に列聖された。彼は「少年聖歌隊」
Puericantores (教皇聖歌隊) の保護者とされている。
 神が「聖ドミニコ・サヴィオによって、愛徳と潔白のすぐれた模範を
若者にお与えになり」(集会)、「友人たちの中で、熱意ある使徒とされ」
(荘厳祝福)、「心は喜びにあふれ、日々の務めを忠実に果たし」た
(叙唱) ことによって、青少年の特徴である「聖性の模範」(集会) を
与えられたと唄える典礼文は、「いのちと喜びの源である神」
(集会) へのひとつの賛歌となっている。
 会衆は、諸聖人の喜びの集いの中で輝く「聖ドミニコ・サヴィオの
勝利を」(入祭) 祝い、「霊に満たされ」(叙唱)、
「キリストの背丈に成長する」(集会) 聖ドミニコの足跡をたどり、
「聖性の道を走り抜け」るように (叙唱) 神のことばと、
いのちのパンの食卓にあずかる。
 この到着点に至れるよう、会衆 (若者と教育者たち) は、
次のように、神の助けを祈願する。「喜びと愛のうちに」
(集会) 成長でき、「愛と喜びの宣教者」(荘厳祝福) として
聖霊から変容された者となり、奉仕と喜びによって兄弟たちを導き、
「キリストとの友情に生きる勇気を」(荘厳祝福) 求める
聖性の道を「走り抜け」る (叙唱) 条件として、「罪にうち勝つ」
(拝領) ことができますようにわたしたちを促すのである。

入祭唱 (黙示録14・4参照)
聖ドミニコ・サヴィオの勝利を喜び祝おう。
彼は、小羊の行く所、どこにも従う、
神と小羊に献げられる初穂として、
人々の中から贖われた者たちと共にいる。(アレルヤ) 

集会祈願
恵みの源である神よ、あなたは、聖ドミニコ・サヴィオによって、
愛徳と潔白のすぐれた模範を 若者にお与えになりました。
わたしたちも喜びと愛のうちに
キリストの背丈に 成長することができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

集会祈願 (修道共同体用)
いのちと喜びの源である神よ、
あなたは、聖ドミニコ・サヴィオを聖性の模範として
教会にお与えになりました。
若者が、清く、愛にかられて成長しますように。
また、わたしたち教育者が若者をみ国の奉仕にむけて励まし、
キリストの道を ともに歩むことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

第一朗読 (一テサロニケ5・12-24)
       すべてを吟味して、良いものを大事にしなさい

答唱詩編(詩編119 典礼聖歌75)
答 神よ、あなたのことばは
  わたしの足のともしび、わたしの道の光。

しあわせな人、道からそれず、
神の教えに従って歩む人。
そのさとしをとがなく守り、
神の道を歩む人。 答

あなたの定めを思いめぐらし、
あなたの道に目を注ぐ、
わたしはおきてを喜びとし、
あなたのことばを忘れない。 答

あなたのすすめからそれないように、
心を尽くしてあなたを求める。
わたしは仰せを心にいだく。 
あなたのさばきを示してください。 答

神よ、あなたのことばを生涯守れるように、
豊かな恵みを与えてください。
教えの偉大さを悟れるように、
わたしの目を開いてください。 答

アレルヤ唱 (フィリピ2・15b-16参照)
アレルヤ、アレルヤ。いのちのことばを高く
かかげ、この世にあって星のように光り
輝きなさい。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (ルカ12・35-40)
      あなたがたも用意していなさい

共同祈願
聖ドミニコ・サヴィオの祝日に新しい息吹を
与えてくださる神に、祈りましょう。

答 父よ、わたしたちの信仰を強めてください。

キリストの民を聖性に導く司牧者に、とうとい
使命を遂行するための恵みが与えられますように。 答

サレジオ家族のメンバーが、創造力に富む豊かな学職と、
堅固な忍耐をもって、若者の人間的・福音的養成に献身
することができますように。 答

すべての子どもたちが、ふさわしい教育を受け、
生活の中で生ずる責任を担うことができますように。 答 

若者が、健全な友情の価値を発見し、
閉鎖的な傾向にうち勝ち、
寛大に自己を解放していけますように。 答

わたしたちが、聖人にならい、
神が与えられた貴重なたまものを、
賢明に活用することができますように。 答

その他の意向

喜びの泉である神よ、教会がささげる祈りを
受け入れてください。わたしたちの生活が、
あなたの栄光への賛美となりますように。
 わたしたちの主 イエス・キリストによって。
 アーメン。

奉納祈願
父よ、救いの供えものささげて祈ります。
聖ドミニコ・サヴィオの心を燃え立たせていた
あなたの霊の炎を、わたしたちにも与えてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

叙唱 -喜びの聖性 聖霊への温順-
聖なる父、全能、永遠の神、
主キリストによって、いつどこでも
あなたに賛美と感謝をささげることは、
まことにとうといたいせつな務め(です)。
あなたは 聖人たちの喜びのうたげにおいて、
少年ドミニコ・サヴィオをひときわ輝かせてくださいます。
聖人の短い生涯は あなたの霊に満たされ、
心は喜びにあふれ、日々の務めを忠実に果たし、
単純な生活の中で 聖性の道を走り抜けました。
あなたの栄光をたたえる天使 聖人とともに、
聖霊の喜びのうちに、わたしたちも終わりなくほめ歌います。

拝領唱 (ヨハネ6・51参照)
私は天から下ってきた生きたパンである。
このパンを食べる人は永遠に生きる。
私が与えるパンは、世を生かすためのわたしの肉のことである。
(アレルヤ)
                                
拝領祈願
聖なる父よ、主の食卓にあずかって祈ります。
この秘跡によって 罪にうち勝つ力をお与えください。
聖ドミニコ・サヴィオにならい、若者が奉仕と喜びのうちに
あなたとともに 生きることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

荘厳祝福
聖ドミニコ・サヴィオの祝日にあたり、ともに
いてくださるいつくしみ深い神が、
豊かな恵みを与え、皆さんをあふれる愛で
満たしてくださいますように。
アーメン。

十字架の死をもって、わたしたちを罪から
解放してくださったイエス・キリストが、
キリストの友情に生きる勇気を皆さんに
与えてくださいますように。
アーメン。
ドミニコ・サヴィオを友人たちの中で、
熱意ある使徒とされた聖霊が、
みなさんを愛と喜びの宣教者に
してくださいますように。アーメン。

全能の神、父と子と聖霊の祝福が皆さんの上にくだり、
常にとどまりますように。アーメン。

祭日として祝う場合は、第一朗読に次のものを用いる

第一朗読 (黙示録7・9-17)
  かれらは純白の衣服を着け、手にシュロの葉をもって、  
              神の玉座の前に立っていた

答唱詩編(詩編24・1-6 典礼聖歌158)
答 門よ、扉を開け、永遠の戸よ、上がれ。
  栄光の王が入る。

地とそこにあるもの、
世界とそこに住むものは神のもの。
神は海に地の基をすえ、
水の上に固められた。 答

だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
それは手に汚れなく、心の清い人、
空しいことに心を向けず、偽りを口にしない人。 答

その人は神に祝福され、救いの恵みを受ける。
彼はヤコブの一族、神を求め、その顔を慕う。 答

他の選択朗読 (第一朗読 復活節外)

第一朗読 (サムエル上3・1-10)
      主よ、お話ください。僕は聞いています

答唱詩編(詩編16 典礼聖歌98)
答 しあわせな人、神の恵みを受け、
  その喜びに生きる人。

(または)
第一朗読(サムエル上16・1b、4a、5c-13ab)
       人は外見を見るが、神は心をご覧になる

答唱詩編(詩編89典礼聖歌37)
答 神のいつくしみをとこしえにうたい、
  主のまことを代々に告げよう。

(または)
第一朗読 (トビト4・3a、5-9、13cd、14c、15a、18-19ac)
あなたはいつも主を覚えていなさい

答唱詩編(詩編119 典礼聖歌75)
答 神よ、あなたのことばは
  わたしの足のともしび、わたしの道の光。

他の選択朗読 (第一朗読 復活節中)

第一朗読 (一テサロニケ4・1-4、7-9、10b-12)
            あなたがたの聖性は、神のみ心です

答唱詩編(詩編96 典礼聖歌148)
答 遠く地の果てまで、
すべての者が神の救いを見た。

(または)
第一朗読 (テトス2・6-8、11-15)
      思慮深く、正しく、信心深く生活するように教えなさい

答唱詩編(詩編37 典礼聖歌166)
答 喜びに心をはずませ、救いの泉から水を汲む。

(または)
第一朗読 (一ヨハネ2・12-17)
  あなたたちは強い者なので、私ヨハネはあなた方に書いています

答唱詩編(詩編103 典礼聖歌93)
答 心を尽くして神をたたえ、
  すべての恵みを心に留めよう。

福音朗読 (マタイ13・31-33、44-46)
      天の国は、一粒の種が木に成長するようなものである
(または)
福音朗読 (ルカ10・21-22)
   あなたは、これらのことを小さい人々にお示しになられた
(または)
福音朗読 (ヨハネ1・35-39)
  かれらはイエスが住んでおられる所を見、そこにとどまった

五月十三日   聖マリア・ドメニカ・マザレロ修道女  祝日(FMA祭日)

一八三七年アレッサンドリアのモルネーゼで誕生。
家庭で堅固な信心、疲れを知らない勤勉さを培われ、
上長としての指導において発揮された良職の深さと、
実践的センスにぬきんでていた。
十五歳で「無原罪の聖母マリアの少女会」に入会し、
村の少女たちの間で使徒職を始める。
二十三歳のときにかかったチフスで重体に陥ったことが、
彼女の中に深い精神的影響を与えることになる。
というのは、身体的もろさの体験が、彼女の神への
委託をより深め、動き、祈り、神への愛を少女たちに
教えるために、洋裁教室を開くよう促すことになったからである。
諸秘跡への熱心な参与と、聡明で神に照らされた
ペスタリーノ神父の指導のもとで、
霊的生活に大きく躍進していった。
 一八七二年ドン・ボスコはFiglie di Maria Ausiliatrice
修道会(サレジアン・シスターズ) を創設するために彼女を選んだ。
上長としての彼女は、有能な養成担当者、
霊的生活の教師であることを証明した。
 彼女は、聖霊によって照らされ、教理学習を通して知ることの
できた神の認職と熱烈な愛、仕事に対する責任感、誠実さと謙そん、
生活の簡素さと喜びに満ちた自己譲渡など、真に福音的価値の
浸透した教育的な伝統を、自分の姉妹たちに残した。
一八八一年五月十四日、ニッツァ・モンフェラートで死去。
一九三八年、教皇ピオ十一世によって列福され、
一九五一年六月二十四日、教皇ピオ十二世によって列聖された。

 典礼文を通して会衆は、聖女マリア・ドメニカ・マザレロの
「誠実な配慮、忍耐強い愛徳、まことの謙そん、実践的な清貧、
喜びにあふれた従順、信頼に満ちた委託」(叙唱) などの聖性を
思い起こし、謙そんな人びとを特に愛され、「単純で誠実な心を
聖霊で満たされ」る (集会) 限りないいつくしみの神を賛美し、
感謝をささげる。
 復活されたキリストの「受難と栄光の神秘」(荘厳祝福) に深く
浸透された聖性は、信じる者、「キリスト者、修道奉献者のすぐれた
模範」(集会)、さらに「人生の師」 (奉納)、「愛徳の輝かしい模範」
(奉納) となることを悟らされる。
 会衆は、「喜びの祝いのうちに」(奉納) このモデルを眺め、
御父の愛の日常のあかしである「若者たちの愛」(集会)、
神の御子 「キリストの愛のしるしを若者たちに与えるため」
(叙唱)、教育活動への忠実さを願い、また、主の「招きに喜びを
もって」(奉納) こたえる。そして、「疲れを知らぬ神の
探求者、教会の奉仕者」(荘厳祝福) と、「兄弟愛を固め、人びとに
奉仕し」(拝領)、神に仕えながら成長のために、聖性への継続的計画
という輝かしい模範を「より深く愛徳」 の中で(奉納)
残したマードレ・マザレロにならう恵みを、今日の教会において
善の源である御父に願い求めるよう促される。
入祭唱 (詩編118・16、29参照)
神の右の手は わたしに向かって高くあがり、
神の右の手はくしきみわざを行われた。
神をたたえよう、神はいつくしみ深い。
そのあわれみは永遠。(アレルヤ)

集会祈願
すべての恵みの源である神よ、あなたは
聖マリア・ドメニカ・マザレロを選び、
深い謙そんと、熱心な愛徳によって、
キリスト者、修道奉献者のすぐれた模範を お示しになりました。
わたしたちも父であるあなたの愛を、
誠実な心で 日々 あかししていくことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

集会祈願 (修道共同体用)
父である神よ、あなたは、謙そんな人びとを愛し、
単純で 誠実な心を 聖霊で満たされます。
若者たちの愛にかられた聖マリア・ドメニカ・マザレロは、
聖ヨハネ・ボスコの使徒的愛に共感し、新しい修道会を創立しました。
わたしたちが聖女の教えに素直な者となり、
その教育活動に忠実でありますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

第一朗読 (FMAのみ) (黙示録19・1、5-9)
          小羊の婚宴に招かれた人は幸い

答唱詩編(詩編148 典礼聖歌20)
答 いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。

天は神をたたえよ。
天にあるすべてのものは神をたたえよ。
神の使いは神をたたえよ。
すべての力は神をたたえよ。 答

太陽と月は神をたたえよ。
きらめく星座は神をたたえよ。
大空は神をたたえよ。雲は神をたたえよ。 答

地を治める王、すべての民は神をたたえよ。
すべての支配者は神をたたえよ。
若者とおとめたちは神をたたえよ。
年老いた者も、子どもたちも神をたたえよ。 答

すべての者は神の名をたたえよ。
神は偉大。その栄光は天地を覆う。
神は、その民を高められた。
神に選ばれた民、
イスラエルは賛美の声をあげる。 答

第二朗読 (FMAのみ)(FMA以外は第一朗読)
            (一コリント1・26-31)
            神は、世の弱い人たちを選ばれた

答唱詩編(詩編89 典礼聖歌41)
答 神のいつくしみをとこしえにうたい、
  そのまことを代々に告げよう。

あなたの腕は 力にみなぎり、
その手は強く 右の手は高く上がる。
正義と公平はあなたの国のもとい、
いつくしみとまことはあなたの前を進む。 答

神よ、あなたの輝きを知り、
その光の中を歩む民はしあわせ、
あなたの名をいつも喜び、
あなたの正義によって高くあげられる。答

アレルヤ唱 (マタイ11・29参照)
アレルヤ、アレルヤ。わたしは柔和で、謙遜で
あるから、わたしの弟子になりなさい。魂は安らぎを
見いだすだろう。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読(ルカ10・21-28)
     父よ、あなたを賛美します。これらのことを、
        小さい人びとにあらわれたからです

共同祈願
聖マリア・ドメニカ・マザレロの祝日に、父で
ある神に、信頼と感謝をこめて祈りましょう。

答 父よ、あなたの霊で新しくしてください。

教会が、聖霊の声に温順であり、現代社会の時の
しるしを読み取ることができますように。 答

教育に携わる者が、信仰に生かされた知識と模範によって、
若者を導く使命に、寛大に応えていくことが、
できますように。 答

サレジアン・ファミリ-のメンバーが、
マリア・マザレロの模範にならい、神と兄弟姉妹への
奉献を熱心に生きることができますように。 答

若者が、キリストの福音にふれ、
自らを解放し、人生の意義を悟り、
力強く成長していきますように。 答

サレジアン・シスターズが、各自の召命を生き、
創立者の精神に忠実に、現代の教会の必要に
寛大にこたえていくことができますように。 答

聖なる食卓に招かれ、養われるわたしたちが、
兄弟的交わりを深め、固いきずなで結ばれて会社に
貢献することができますように。 答

その他の意向

父よ、聖人をとおして成し遂げられた偉大なわざを
たたえるわたしたちの祈りを聞き入れてください。
聖霊に強められ、あなたの御子イエス・
キリストを宣べ伝えるために、あなたの愛に
とどまることができますように。
わたしたちの主 イエス・キリストによって。
アーメン。

奉納祈願
聖なる父よ、
ここにささげるわたしたちの供えものを受け入れてください。
あなたは、聖マリア・ドメニカ・マザレロを
人生の師としてお与えになりました。
聖女の取り次ぎによってわたしたちも、日々の働きのなかで
あなたの招きに 喜びをもってこたえていくことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願 (修道共同体用)
聖なる父よ、喜びの祝いのうちにささげる 
この供えものを受け入れてください。
聖マリア・ドメニカ・マザレロは、燃える愛徳の
輝かしい模範を残しました。
わたしたちも、より深く愛徳に成長していくことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

叙唱  -思慮深く、賢明なおとめ-
聖なる父よ、最愛の子、イエス・キリストを通して、
いつ どこでもあなたに感謝をささげることは
まことにとうとい、たいせつな務め(です)。
あなたは、賢明で思慮深いおとめ 聖マリア・ドメニカ・
マザレロを選び、誠実な配慮、忍耐強い愛徳、まことの謙そん、
実践的な清貧、喜びにあふれた従順、
信頼に満ちた 委託の諸徳を 輝かされました。
キリストの愛のしるしを 若者たちに与えるため、
聖霊によって、聖ヨハネ・ボスコとともに、
新しい家族の創立に 聖女を招かれました。
神の威光をあがめ、権能を敬うすべての天使 聖人とともに
わたしたちもあなたの栄光を終わりなくほめ歌います。

拝領唱  (ルカ10・21参照)
父よ、あなたをほめたたえます。
あなたはこれらのことを知恵である者、
賢い者に隠されました。
そうです。父よ、これはみ心にかなうことでした。
(アレルヤ)
                            

拝領祈願
いつくしみ深い父よ、聖なる食卓にあずかって祈ります。
聖マリア・ドメニカ・マザレロの模範に支えられて、
わたしたちが善の源である あなたへのあこがれを養い、
兄弟愛を固め、人々に奉仕し、あなたに仕える喜びを
増すことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

荘厳祝福
聖マリア・ドメニカの祝日に、
わたしたちを一つに集められた父である神が、
皆さんを、いつも福音的愛徳と謙そんに
生きる者としてくださいますように。
アーメン。

ご自分の受難と栄光の神秘に マリア・ドメニカ・
マザレロを導かれた復活のキリストが、
皆さんの生涯を、喜びと実り豊かなささげもの
としてくださいますように。
アーメン。

子としての愛と賢慮のたまものをマードレ・
マザレロに注がれた聖霊が、
皆さんを、疲れを知らぬ神の探求者、
教会の奉仕者としてくださいますように。
アーメン。

全能の神、父と子と聖霊の祝福が皆さんの上にくだり、
常にとどまりますように。
アーメン。

他の選択朗読 (復活節以外)

第一朗読 (シラ3・19-26a)
      ヘリくだる人は主をあがめる

答唱詩編(詩編131 典礼聖歌74)
答 神よ、あなたの顔の光を、
  わたしたちの上に照らしてください。

(または)
第一朗読 (雅歌8・6-8)
      愛は死のように強い

答唱詩編(詩編45 典礼聖歌36)
答 神のいつくしみをとこしえにうたい、
  主のまことを代々に告げよう。

(または)
第一朗読 (シラ51・18-28)
      絶え間なく知恵を祈り求めよ

答唱詩編(詩編67 典礼聖歌55)
答 神のみ旨を行うことは、
  わたしの心の喜び。

他の選択朗読 (復活節)

第一朗読 (黙示録21・5-7)
     渇いている人は、命の泉から水を飲め

答唱詩編(詩編16 典礼聖歌98)
答 しあわせな人、神の恵みを受け、
  その喜びに生きる人。

神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、
わたしの受ける杯。わたしの道を開くかた。 答

わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、
わたしはけっしてゆるがない。 答

わたしの心は喜びに満ちあふれ、
からだは安らかにいこう。 答

あなたはわたしを死の国に見捨てられず、
あなたを敬う人が朽ち果てるのを望まない。 答

(または)
第一朗読 (コロサイ3・12-17)
      まず愛を身にまといなさい。愛は完徳の要

答唱詩編(詩編34 典礼聖歌128)
答 主を仰ぎ見て、光を受けよう。
  主が訪ねる人の顔は輝く。

(または)
第一朗読 (一ヨハネ4・7-16)
  互いに愛し合うなら、神はわたしたちの中に留まられる

答唱詩編(詩編103 典礼聖歌93)
答 心を尽くして神をたたえ、
  すべての恵みを心に留めよう。

(または)
第一朗読 (一ヨハネ5・1-5)
      世にうち勝ち信仰

答唱詩編(詩編16 典礼聖歌98)
答 しあわせな人、神の恵みを受け、
  その喜びに生きる人。

アレルヤ唱 (マタイ5・8参照)
アレルヤ、アレルヤ。心の清い人はさいわい。
その人は神を見る。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (マタイ5・1―12a)
     貧しい人、謙遜な人、心の清い人は幸い
(または)
福音朗読 (マタイ5・13-16)
     あなたたちは世の光
(または)
福音朗読 (マタイ16・24-27)
     わたしのために自分の命を捨てる人は、命を見いだす
(または)
福音朗読 (マタイ25・1-13)
      花婿が来た。迎えに行きなさい
(または)
福音朗読 (ルカ10・38-42)
     マリアはイエスの足元に座り、み言葉を聞いた
(または)
福音朗読 (ヨハネ15・1-10)
     わたしに留まる人は多くの実を結ぶ

五月十八日  聖レオナルド・ムリアルド司祭  任意

 一八二八年、トリノで誕生。最良の教育を、家庭と
サヴォナのスクォーレ・ピーエ修道会において受ける。
神の言葉と神学に関する熱心な勉学を終え、司祭に叙階され、
少年刑務所で教理教授に励み、人びとに教えを説き、
印刷物を用いて信仰を広め、司牧生活に専念した。
彼は、祈りによって精神的力を強化する深い内的生活と、
多様な献身的な使徒職の活動生活とを、実によく調和統合させていた。
トリノの聖アロジオ・オラトリオの指導を引き受けるなど、
ドン・ボスコやドン・カファッソと親しく接していた。
 一八七三年、農村や工場地帯の若者たちのために始めた教育
生活を固め、かつ拡大するため、後に聖ヨゼフ会(ムリアルドの
ジュゼッピーニ)と呼ばれる「トリノの聖ヨゼフ信心会」
を設立する。
彼は若者に限りない愛といつくしみを注ぎ、
彼らにキリスト教的教育と、若い職人たちの専門性を
身につけさせるために、言語に絶する困難を克服し、
学校を合法的なものにするよう動きながら、三十四年間、
彼の「職業学校」を統治した。カトリック・アクションの
組織結成にも参与した。
 彼のモットーは「行動すること、そして黙すること」
であったが、彼はつねに勤勉で、すべての人に
気さくに接していた。
一八八七年、致命的な病にかかる。その時、ドン・ボスコが、
自身衰えていたにもかかわらず、彼を見舞って祝福すると、
彼はいやされ、多くの試練や困難に遭遇しながらも、
一九〇〇年三月三十一日まで、熱心に動くことができた。
 教皇パウロ六世によって、一九六三年に列福され、一九七〇年
三月一日に列聖された。

復活節の期間に、聖レオナルドの記念が位置づけられていることは、
「すべての善の源である神」(集会) が、あらゆる時代、
あらゆる場所の教会で、聖人たちの模範、教え、取り次ぎをもって、
人間を新しいいのちへ導くために、よみがえられたキリストを
認識させ、体験されるための雄弁なしるしとなる。
 会衆は、「みことばを聞き、いのちのパンに養われ」る
(拝領) 過越の記念を祝う聖体祭儀において、
愛の掟を実践し、「貧しい人たちへの愛徳と、真理への愛を
生きる」(拝領) ことができるよう、
神のいつくしみに満たされる聖霊の力を願い求めるよう促される。

入祭唱 (マルコ10・14参照)
主は言われる。「子どもたちをわたしのところに
来させなさい。妨げてはいけない。
神の国はこのような者たちのものである」。

集会祈願
すべての善の源である神よ、
あなたは、聖レオナルド・ムリアルドを家族のない子供たちの父、
若い職人たちの指導者とされました。
聖人の取り次ぎによってわたしたちが、
兄弟への奉仕において、あなたの愛の掟を実践できるように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
父なる神よ、聖レオナルドを記念してささげる
この供えものを受け入れてください。
御子のいけにえによって、あなたのいつくしみを
わたしたちの中にあふれさせてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

拝領唱 (Iヨハネ4・21)
神を愛する人は兄弟を愛する。
これが主の掟である。(アレルヤ)

拝領祈願
父なる神よ、あなたの霊は、この聖体祭儀をとおして
わたしたちを強めてくださいました。
みことばを聞き、いのちのパンに養われたわたしたちが、
聖レオナルドの模範にならい、
貧しい人たちへの愛徳と、真理への愛を生きることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

五月二十四日  扶助者聖母マリア 祭日
 
 人間的なできごとの浮き沈みが交差する歴史の中で、
キリストの民は、聖マリアの実際的助けを、
幾度となく体験してきている。特に、教会の存続が
重大な困難に遭遇したとき、その経験は顕著である。
このような時を通して神の母、また「キリスト信者の助け」
という呼び名をもって、聖母に寄り頼む習慣が生じてきた。
この祝日が五月二十四日と制定されたのは、一八一四年、
教皇ピオ七世が、捕囚から奇跡的に解放されて、ローマに
帰ることができたのがこの日に当たるからある。
 聖ヨハネ・ボスコは、「キリスト信者の助け」
という聖母の称号の中に、教会の中においての実際的救済として、
祝された聖マリアの秘儀の一つの輝かしい統合を見ていた。
「十八世紀の体験は、マリアは天から継続して、教会の母、
そして天において始められた教会とキリスト信者の助け手と
しての母の使命への最大の成功を、輝くばかりの方法で
わたしたちに見せてくれます」(Meraviglie della
Madre di Dio, 1868, p.45) と書かせたほどである。
 ドン・ボスコの精神と使命に忠実なサレジオ家族は、
より一層完全な主への委託と、若者に神の愛を
あかしするために、聖マリアの母性的現在によって助けられ、
導かれることをゆだねるのである。
 第二バチカン公会議は、マリアは「その母性愛から、
まだ旅を続けている自分の子の兄弟たち、
危険や困難の中にある兄弟たちが、幸福な祖国に
到達するまで、配慮し続ける。
このために聖なる処女は、教会において、弁護者、
扶助者、救援者、仲介者の称号をもって呼び
求められている」(教会憲章62) と宣言している。
 このことから、「光栄ある終生おとめマリア」
(ローマ典文)を記念し、あがめ、キリストの復活を
祝うことに次の意味があることをわたしたちに納得させる。
① 熱心に神のことばを告げ、その実を結ばせるよう、神のことば
を聖母のように聴くこと。②聖母を祈りと使徒的愛徳の
模範として感じ、祈願すること。③聖母を師、案内者として
認職すること。④聖母に子としての信頼をこめて
助けをもとめること。
サレジアン・ファミリ-の第一の守護者、知識の師として
マリアは、ドン・ボスコが愛していたように、
わたしたちも愛せるように助けを与える。
つまり、司牧的な愛徳の模範として、聖母は福音
宣教の星、人間性を高める星として輝いている。

典礼文は、何よりも先ず、はかり知れない救いの計画に
おける父なる神のみわざのため感謝の叫びとなっている。
それは神が、ご自分のひとり子を「おとめマリアから生まれ」
させ (拝領)、「マリアをキリスト信者の母 助け手」
(集会) とされ、大きなしるし、身に太陽をまとった
婦人とされたからである(第一朗読)。
 これを反映した典礼文は、おとめマリアへの喜びの
歌となっている。それはマリアが、主の「謙そんなおとめ」
(叙唱) であり、信仰と熱い愛の従順をもって
「救い主キリストのわざに協力し」(叙唱)、「愛の計画に
全面的にこたえ」られ (叙唱)、「諸徳の模範」(叙唱) であり、
「天のエルサレムに向かって旅をする民 教会を日々の困難と
危険から、母の愛をもって助け、見守る使命を継続され」
(叙唱)、今では栄光を受けて御子と一致しておられるからである。
 会衆は、「おとめマリアから生まれ」(拝領)、「死にうち勝」ち
(荘厳祝福)、「新しい創造の初穂として」(拝領) 
「死からよみがえられた」(拝領) キリストの秘儀の記念である
祭儀を祝い、神の計画に、マリアのように、全く温順な
態度をもって身をゆだねるように懇願する。そして「信仰、
希望、愛を深め」(奉納)、すべての試みを「愛と忍耐を
もって乗り越え」(集会)、より一層キリストにあやかり、
神の国の発展のために歴史の中における自分の責任を信頼と
勇気をもって果たし、創意ある生活をもって父なる神に向かって歩み、
キリストの栄光にあずかるために、「マリアとともに高間に集まっていた
使徒たちの上にくだられた」(荘厳祝福) あの聖霊のたまものを
願うのである。

入祭唱  (ユディット13・18b-19参照) 
おとめマリア、あなたはすべての女性にまさって、
いと高き主のなる神によって祝された方。
神は、あなたの名を高められ、人々は、
絶えずあなたの名をあがめる。(アレルヤ)
                           
集会祈願
父である神よ、あなたはおとめマリアをキリスト
信者の母 助け手とされました。
聖母を記念し、取り次ぎを願う教会が、
聖霊に強められ、この世の試練を愛と忍耐をもって乗り越え、
御子キリストの栄光にあずかることができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

集会祈願 (修道共同体用)
いつくしみ深い全能の神よ、あなたは、
はかり知れない救いの計画によって、
マリアをキリスト信者の母、助けとして 
わたしたちに与えてくださいました。
教会が信頼と勇気をもって、み国の発展のために
尽くすことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

第一朗読 (黙示録12・1、3a、7―12a―17)
          天に大きなしるしが現れた

答唱詩編(詩編45 典礼聖歌36)
答 神のいつくしみをとこしえにうたい、
  主のまことを代々に告げよう。

うるわしいことばに高鳴る心で、
わたしは王にこの歌をささげる。
もの書く筆のはずみのように、
ことばは口に流れ出る。 答

あなたは人の子のうち たぐいなく美しく、
気品はあなたの口もとにただよう。
神はとこしえにあなたを祝福される。
あなたは光と輝きを身にまとう。 答

「娘よ、聞け、耳を傾けよ、
お前の民と父母の家を忘れよ。
おまえのうるわしさを慕う王を主とあがめ、
心を尽くして仕えよ。」 答
第二朗読 (ガラテヤ4・4-7)
      女から生まれた御子を遣わされた

アレルヤ唱
アレルヤ、アレルヤ。幸いな母、汚れないおとめよ。
今もいつも、とりなしてください。
神のそばで。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (ヨハネ2・1-11) 
    母は言った。「言われるとおりにしなさい」

共同祈願
皆さん、聖マリアを御子の救いのわざの協力者
とされた父である神に、わたしたちの祈りを
ささげましょう。

答 主よ、わたしたちの祈りを聞き入れてください。

旅する神の民、教会がマリアを道しるべとし、
母としての配慮に信頼して歩み続けることが
できますように。答

教皇をはじめ、教会の司牧者が、神の良き訪れを
告げ、福音宣教の星であるマリアに信頼し、
多くの実りを得ることができますように。答

政治家が、世の救いを望まれる神のみこころを
知ることができ、聖マリアが彼らの任務を助け、
導いてくださいますように。答

サレジアン・ファミリ-が、現代の教会の中で、
福音の精神に従って生き、活動することが
できますように。答

悩み、失意のうちにいる若者が、希望、平和、
信頼、交わりの泉である母なるマリアを
見いだすことができますように。答

聖なるおとめ扶助者聖マリアの祝日を祝って、
ここに集う私たちが、マリアの母の姿を、
絶えず実感することができますように。答

その他の意向

救いの計画に、おとめマリアを選ばれた父である
神よ、聖母の取り次ぎによって祈るあなたの
子らの願いに耳を傾けてください。
わたしたちが、聖霊に従い、福音の教えを
実践していくことができますように。
 わたしたちの主 イエス・キリストによって。
 アーメン。

奉納祈願
父である神よ、
キリスト信者の助け、おとめマリアの祝日に
(を記念して)ささげる、あなたの民の祈りと
供えものを 受け入れてください。
聖母の取り次ぎによって、いのちを与えられたキリストに 
あやかるため、わたしたちの信仰、希望、愛を深めてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱 -旅する民の母、聖マリア-
聖なる父、全能、永遠の神、
いつ どこでも、あなたに感謝をささげ、み名をたたえることは
まことにとうとい たいせつな務め(です)。
キリスト信者の助け おとめマリアの祝日にあたり(を記念して)
あなたを賛美し、ほめたたえます。
謙そんなおとめ、諸徳の模範であるマリアは、
従順と愛をもって救い主キリストのわざに協力し、
あなたの愛の計画に全面的にこたえました。
また、栄光のうちに御子と一致し、天のエルサレムに
向かって旅する民 教会を 日々の困難と危険から、
母の愛をもって助け、見守る使命を継続されます。
あなたのいつくしみをたたえる天使とともに、
天と地は喜びに満ちあふれ、わたしたちも感謝の
賛歌を歌います。

拝領唱 (ヨハネ2、1・5参照)
ガリラヤのカナで婚宴があった時、
マリアはしもべたちに言った。
「何でもイエスの言う通りにしなさい」。アレルヤ

拝領祈願
いのちの源である父よ、
あなたは新しい創造の初穂として おとめマリアから生まれ、
死からよみがえられた 御子イエス・キリストのからだで、
わたしたちを養ってくださいました。
わたしたちが、新しいいのちを受け、
喜びのうちに歩み、み国の到来のために
働くことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

荘厳祝福
おとめマリアを 神の民の助けとされた父で
ある神が、皆さんの上にあふれる愛を 
注いでくださいますように。アーメン。

十字架の上から、マリアを母としてわたしたちに
与え、死にうち勝たれたイエス・キリストが、
皆さんに豊かないのちを与えてくださいますように。
アーメン。

マリアとともに 高間に集まっていた使徒たちの上に
くだられた聖霊が、皆さんを復活の証人として
世につかわしてくださいますように。アーメン。

全能の神、父と子と聖霊の祝福が、
皆さんの上にくだり、常にとどまりますよ
うに。アーメン。

他の選択朗読 (復活節外)
第一朗読(ゼカリヤ2・14-17)
     シオンの娘よ、喜びの叫びをあげよ、主は来られる
答唱詩編(詩編147 典礼聖歌142
答 たてエルサレム 見よ 喜びを。
  神からくだる喜びを見よ。

エルサレムよ、神をほめよ、
シオンよ、神をたたえよ。
神はおまえの門のかんぬきを堅め、
その中に住む人を祝福される。答

神の国ざかいに平和をもたらし、
よい麦でおまえ養われる。
神は地に向かって仰せになり、
そのことばはすばやく走る。答

(または)
第一朗読(創世記3・1-6、13-15)
       おまえと女の間に敵対をおく
答唱詩編(詩編98 典礼聖歌151)
答 遠く地の果てまで、
  すべての者が神の救いを見た。

(または)
第一朗読 (サムエル上1・24-28、2・1-2、4-8)
        主にあってわたしの心は喜ぶ
答唱詩編(詩編147 典礼聖歌29)
答 エルサレムよ、ほめたたえよ。
  主なる神に、うたえ。アレルヤ。

(または)
第一朗読 (サムエル下7・1-5、8-11、16)
      主はあなたに一つの家を起こされる
答唱詩編(詩編149 典礼聖歌106)
答 シオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。
  見よ、わたしたちの王、主が来られる。

(または)
第一朗読(イザヤ7・10-14、8・10c)
      おとめが身ごもって男の子を産む
答唱詩編(詩編85 典礼聖歌111)
答 主は来られる。すぐに来られる。
  われらを平和に導くために。

(または)
第一朗読(ゼファニヤ3・14、15b-18a)
     神なる主はあなたの中におられる
答唱詩編(詩編149 典礼聖歌106)
答 シオンよ、喜べ。エルサレムよ。うたえ。
  見よ、わたしたちの王、主が来られる。

他の選択朗読(復活節)

第一朗読(黙示録21・1-3、5a)
      これが神の住まいである

答唱詩編(詩編45 典礼聖歌36)
答 神のいつくしみをとこしえにうたい、
  主のまことを代々に告げよう。

(または)
第一朗読(使徒言行録1・12-14)
     彼らは、マリアと共に祈っていた
答唱詩編(詩編113 典礼聖歌51)
答 神の名はあまねく世界に輝き、
  その栄光は天にそびえる。

第二朗読(エフェソ1・3-6、11-12)
 神は世の創造以前にキリストによって、わたしたちを選ばれた

アレルヤ唱(マタイ12・50参照)
アレルヤ、アレルヤ。わたしの母、兄弟とは父
のみこころを行う人。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読(マタイ12・46-50)
 わたしの父のみ旨を行うものが
 わたしの母、わたしの兄弟である

(または)
福音朗読(ルカ1・26-38)
    あなたの子は偉大な方で、永遠に治められる

(または)
福音朗読(ルカ1・39-47)
     あなたの胎内の御子は祝福されています
(または)
福音朗読(ルカ11・27-28)
    神の言葉を聞く人は幸い
(または)
福音朗読(ヨハネ19・25-27)
      これがあなたの子、これがあなたの母

五月二十五日 帰天したサレジアン・シスターズの追悼

帰天した会員を追悼する聖体祭儀において、
冥福を祈るとともに、若者の善のために、福音的勧告の
実践をもって、聖ヨハネ・ボスコと聖マリア・マザレロと共に
働くことを誓約し、主の声に応えた寛大な多くの姉妹たちを、
ご自分の教会にお与えになった神の恵みに、感謝しなければならない。
 姉妹たちは、貫重な遺産を残している。彼女らは今なお
思い出の中に生き、ある者は神の喜びの中にあり、
また、つつましく隠れた生活を送った人たちは、『亡き姉妹
のおもかげ』の中に名前を留めている。
 わたしたちの聖なる集会は、教会の中で、姉妹たちが
全うした神の恵み、その善業を思い出し、
その徳を心から賛美する。忠実と感謝からあふれ出る
この追悼は、黙想会中にも行われる。
それは、姉妹が動き、信じ、希望し、苦しみ、愛しつつ
生きたその道を偲びながら、わたしたちがますます
熱心に歩み続ける支えとするためである。
 
キリストの「あがないの死」(叙唱) から照らされた
死の神秘の前で、典礼文は「すべてに越えて神の
国を求める人びとに、終わりのない幸せを
約束」された(集会)「限りなくいつくしみ深い父」
(集会) に対する信仰へと、会衆を招いている。
 会衆は、いのちを与え、摂理によって導き、
支えられる神なる父に、亡くなった姉妹をゆだねながら、
「聖ヨハネ・ボスコと聖マリア・マザレロのあとに従って歩み、
福音の奉仕に生涯をささげ尽くし」(集会)、人びとへの「奉仕と
と司牧のつとめを果たし終え」(奉納)、主の「ぶどう畑で、
生涯働いた」(拝領) 姉妹を思い出す。そして、
主の到来を待望している者のために、神の「み顔」
(集会) を永遠にあおぎ見ることができますよう、「忠実に
仕えた者に約束された報い」(拝領)、「和解」、
「ゆるしと永遠の喜び」(奉納)、「復活の栄光」(叙唱) への
目覚めを嘆願する。
 また、帰天した姉妹を記念することは、キリストの
過越の記念の犠牲において、すべての兄弟姉妹が教会の中で、
招かれた福音の奉仕の「道を忠実に歩み続ける恵み」(集会) 
を与えてくださるようにわたしたちに嘆願される。

入祭唱
主を信じたわたしたちは、その日、神の光のうちに生きる。
そこにはイエス・キリストの備えられた
忠実なしもべへの報いがある。

集会祈願
限りなくいつくしみ深い父よ、あなたは、
すべてに越えて神の国を求める人々に、
終わりのない幸せを約束してくださいました。
あなたのもとに召されたわたしたちの姉妹
(サレジアン・シスターズ)を受け入れてください。
彼らは聖ヨハネ・ボスコと聖マリア・マザレロの
あとに従って歩み、福音の奉仕に生涯をささげ尽くしました。
この姉妹たちには、あなたのみ顔を あおぎ見る恵みを、
わたしたちには招かれた道を 忠実に歩み続ける恵みをお与えください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

第一朗読 (イザヤ25・6―8a、9)
          主は、死を永久に滅ぼしてくださる

答唱詩編(詩編122 典礼聖歌21)
答 うるわしい神の家、エルサレム、
  壁も塔も輝いて立つ。

「神の家に行こう」と言われて、
わたしの心は喜びにはずんだ。
エルサレムよ、わたしたちはいま、
お前の門のうちに立っている。答

しげく連なる町、エルサレム、すべての民の都。
そこにはイスラエルの部族、
神の民がのぼって来る。答

イスラエルのおきてに従い、
神に感謝をささげるために。
そこにはさばきの座、
ダビドの家の座がすえられている。答

平和を祈ろう、エルサレムのために。
わたしの兄弟、わたしの友のために、
エルサレムの上に恵みを願おう。
その城壁、その宮殿のうちに平和。答

アレルヤ唱 (マタイ24・46参照)
アレルヤ、アレルヤ。主人が帰って来たとき、
言われたとおりにしているのを見られるしもべは
幸いである。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (ルカ12・35-48)
     多く与えられた者は、多く求められる

奉納祈願
父である神よ、このいけにえを和解のしるしとして受け入れ、
青少年への奉仕と司牧のつとめを果たし終え、
あなたのもとに召されたサレジアン・シスターズに、
ゆるしと永遠の喜びをお与えください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱  -地上の生活から永遠の栄光へ-
聖なる父、全能、永遠の神、いつ、どこでも
主キリストによって賛美と感謝をささげることは、
まことにとうといたいせつな務め(です)。
あなたは わたしたちにいのちを与え、
摂理によって、導き 支えてくださいます。
わたしたちの体は ちりにもどるとしても、
あなたは 御子のあがないの死によって、
わたしたちを 復活の栄光にあずからせ、喜びに満たされます。
あなたの救いのわざをたたえるすべての天使 聖人とともに、
わたしたちもつつしんでほめ歌います。

拝領唱 (ルカ12・36-37参照)
主人が婚宴から帰って来て戸をたたくとき、
すぐに開けようと待っている人のようにしていなさい。
主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを
見られるしもべは幸いだ。
                          

拝領祈願
父である神よ、
聖なる食卓にあずかり恵みの
パンによって力づけてくださいました。
あなたのぶどう畑で、生涯 働いた姉妹
(サレジアン・シスターズ)を抱き迎え、
忠実に仕えた者に 約束された報いを お与えください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

五月二十九日  福者ヨセフ・コワルスキー司祭殉教者  記念(FMA任意)

一九三三年、ドイツでは、ナチス政権が成立し、
ホロコースト政策がうち出された。ダッハウや
アウシュヴィッツでは、「信仰への憎しみ」のため、
多くの殉教者が輩出した。
 一九三九年から一九四五年にかけて、ポーランド
はナチス軍に占領され、殉教者の血が流された。
一九八七年、一人の司教の列福を機に、すべてのポーランド人
殉教者の調査が開始された。これによって、
百八人の殉教が認められ、一九九九年六月三日、
教皇ヨハネ・パウロ二世により福者の列に加えられた。
 百八人のうち、一人のサレジオ会司祭が
アウシュヴィッツで拷問により、さらにダッハウではオラトリオで
働いた五名の若者が斬首刑により、神にいのちをささげたのである。
 ヴェッキ神父は列福式に参列し、その感動を書簡にしたため、
チャーヴェス神父はこの五人の若者を、「オラトリオから
生まれた予防教育の結実である」と絶賛した。

 ヨセフ・コワルスキー神父は、一九一一年、ポーランドの
農村の信仰深い家庭に誕生した。
 ヨセフは小学校を終えると、オシェヴィエンチェム
(アウシュヴィッツ) の聖ヨハネ・ボスコ学院に入学。
無原罪の聖母の信心会でリーダーシップをとり、
やがて、サレジオ会を志願した。
一九三八年、クラクフで叙階される。
 叙階後、管区長秘書を務めるかたわら、
クラクフの若者の司牧に熱心にとりくんだ。三年後、
一九四一年五月二十三日、コワルスキーを含む
十一人のサレジオ会員が、ナチス軍により逮捕された。
 捕らえられて一か月後に、アウシュヴィッツの収容所に
移送され、重犯者棟に入れられ、一年間にわたって重労働が
課せられた。司祭であるがために厳しい扱いを受けた。
彼はこれにひるむことなく、司祭としての務めを果たし、
同僚の会員の殺害に直面することがあっても、励ましと
希望を与えた。
一九四二年六月三日、重労働を終え、くたくたに
なったヨセフは仲間と祈りをささげていたとき、
看守長が彼を呼びだした。「わたしのパンを食べてください。
わたしもういらないから」と、このことばを残して
部屋を出ていった。
 看守長たちは、彼が司祭であるという理由でリンチを加え、
口々に悔辱のことばを浴びせた。こうして、
ヨセフは自分の魂を神に返した。
やせこけ、汚れはてた遺体が収容所の前にうち捨てられているのを
囚人シュテハァン・ボラティンスキーは見た。
それは、もっとも崇高な生涯の、もっとも
悲惨な最期のあかしであった。
典礼文は、限界状況の中にあっても、人間としての品位を
失うことなく、さらに、キリスト者として「力強く生き抜」く
(集会) 恵みを会衆にこん願させる。実に、「信仰のために
かんなんを忍」び (拝領)、「日々の困難にうち勝」つ (奉納)のは、
「キリストの受難にあずかる勇気を」(集会) 受けることによって、
はじめて可能になるからである。

入祭唱 (ガラテヤ6・14参照)
わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、
誇るものは何もない。救われたわたしたちには、
十字架は神の力。

集会祈願
全能 永遠の神よ、
あなたは司祭ヨセフ・コワルスキーに
キリストの受難にあずかる勇気を与えてくださいました。
あなたのために いのちを惜しまなかった殉教者にならい、
わたしたちも 力強く生き抜き、
あなたを賛美する恵みを 与えてください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
父よ、司祭 ヨセフ・コワルスキーの殉教を記念する 
このささげ物を 受け入れてください。
わたしたちも、日々の困難にうち勝ち、
あなたに喜ばれる ささげものをなることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領唱 (マタイ5・10参照)
義のために迫害される者は幸い。天の国は彼らのもの。

拝領祈願
主よ、あなたは、司祭 ヨセフ・コワルスキーの殉教を記念する
わたしたちを 聖体の秘跡で満たしてくださいました。
わたしたちも、信仰のためにかんなんを 忍ぶ者に与えられる
永遠の報いを 受けることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

六月十二日 福者フランシスコ・ケイシーと同志殉教者 任意

一九三九年九月一日、ヒトラーはポーランドに侵攻した。
第二次世界大戦の勃発である。ウロニエッカ街にある
ポツナンのサレジオ会の支部は占領され、
ドイツ兵の兵舎になった。ポツナンが占領されたのち、
ナチスは教会でミサ聖祭をささげることや、オラトリオに
若者たちを集めることをはっきりと禁じた。
にもかかわらず、若者たちは、オラトリオが接収されたの
うちにも出会いの機会をもっていた。町の小さな公園とか、
川沿いの原っぱとか、近くの森などに集まっていたのである。
 それは、やがて、秘密警察のかぎつけるところとなり、
一九四〇年九月、フランシスコ・ケイシーと四人のオラトリオの
仲間たちは非合法組織に属したとの理由で逮捕された。
彼らはポツナンの第七収容所に集められたのち、三か所を
転々と連行され、尋問、拷問を受け、重労働を課せられた。
 この間、彼らは収容されたところは異なってはいても、
人間的にも、キリスト教的にもオラトリオという環境で
成長した連帯感をもち、他の同僚をも励まし、祈り合って
信仰の試練に耐えていったのである。
「わたしたちがどんなに苦しんだかは、神様だけが
ご存じです。祈りだけが昼と夜のふちにあって、
唯一の助けです」。さらに「神は十字架をくださいました。
そして、その十字架をになう力も与え続けておられます」
とメモを残している。
 一九四二年八月一日、国家への反逆のとがで、
死刑の宣告が言い渡された。三週間後、彼らは、
ダッハウ収容所の中庭に連行され、準備されたギロチンに
よって若いいのちは神に戻された。
サレジアン・ファミリ-の共同体が、扶助者聖母の毎月
の記念を行っていた日である。処刑の前に、両親に宛て
手紙を書くことができ、貴重な資料となっている。
 ヴェッキ神父は列福式に参加し、その感動を書簡に
したため、チャーヴェス神父は、この五人の若者を
「オラトリオから生まれた予防教育法の結実である。」絶賛した。

フランシスコ・ケイシーは、一九二〇年十一月十三日、
貧しい家庭の五人兄弟の三番目の子どもとしてベルリンで
生まれた。父親の仕事でポツナンに転居した。
フランシスコはサレジオ会の志願者であったが、
占領下で勉学を継続することができず町工場に勤める。
彼は、自由時間をオラトリオで過ごし、他の四人と深い
友情と理想に結ばれ、青年会のリーダーとして活躍した。
 感じやすい性格で病弱であったが、明るく、物静かでりっぱな
人格者で、他人の助けに寛大であった。毎日、聖体を拝領し、
夕方には、ロザリオを唱えていた。

エドワード・クリニックは一九一九年六月二十一日に
ボクムで生まれた。控え目で静かな性格であったが、
オラトリオに通うようになってから活発になった。
頭脳明晰で、責任感があり、すべての活動をうまく
こなしていた。グループの中でまじめで熟考して行動を
するタイプの青年であった。聖体と聖母への信心が驚く、
ドン・ボスコの理想に燃えていた。

ヤロクニェク・ヴォイチェホスキーは一九ニニ年十一月五日、
ポツナンに生まれる。家庭的には恵まれず、姉の家で生活し、
転校を余儀なくされた。オラトリオに通うことによって、心の
支えを見いだした。思慮深く日常の出来事の意味を理解するように
努めていた。友好的な人間関係を築き、兄弟愛に秀で、ユーモアの
センスがあり、オラトリオのプログラムに熱心に参加していた。

チェスワフ・ヨショヒャクは一九一九年九月七日、
ラツニエに誕生。十歳からオラトリオに通い、
のちに青年グループの活性化に協力した。
短気な性格であったが、自発性があり、エネルギーに
あふれていた。自制心があり強い信念をもち、犠牲心に
富み一貫した行動をとっていた。キリスト教的完徳を望み、
かなりの進歩を見せていた。「よい心と性質に恵まれ、水晶の
ような魂をもっていた」という証言がある。

 エドワルド・カジィミエルスキーは一九一九年十月一日、
ポツナンの貧しい靴屋の家庭に生まれる。小学校を終えると、
機械工場で働き、オラトリオの生徒となる。その環境で、
音楽の才能を発揮した。教会で歌うことを好み、
コーラスではソリストをつとめ、十五歳で作曲を試みている。
 生き生きとした信仰を家庭で身につけた彼は、
仕事の後の自由時間をオラトリオで過ごし、
キリスト教的な成長をとげた。
 活発、沈着な性格で、収容所では、同僚に対して寛大で、
迫害者に対しても憎しみの感情にとらわれることはなかった。

育った環境、境遇、性格などの相違が、オラトリオという場で、
人間的にも、信仰の面でも、見事に陶冶され、開花したポーランドの
若き殉教者の「力強く生き抜」いた (集会) 姿を脳裏に
思い浮かばせながら、典礼において、「キリストの受難に
あずかる勇気を」(集会) たたえるように会衆をうながす。
 会衆も「日々の困難にうち勝ち」(奉納)、かれらの力の源で
あった「聖体の秘跡で満た」(拝領)される恵みを懇願するのである。

入祭唱 (ガラテヤ6・14参照)
わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、
誇るものは何もない。救われたわたしたちには、
十字架は神の力。

集会祈願
全能 永遠の神よ、
あなたはフランシスコ・ケイシーと四人の殉教者に
キリストの受難にあずかる勇気を 与えてくださいました。
あなたのために いのちを惜しまなかった殉教者にならい、
わたしたちも力強く生き抜き、
あなたを賛美する恵みを与えてください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
父よ、フランシスコ・ケイシーと四人の殉教者を記念する
このささげ物を受け入れてください。
わたしたちも、日々の困難にうち勝ち、
あなたに喜ばれるささげものとなることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領唱 (マタイ5・10参照)
義のために迫害される者は幸い。天の国は彼らのもの。

拝領祈願
主よ、あなたは、フランシスコ・ケイシーと四人殉教者を
記念するわたしたちを聖体の秘跡で満たしてくださいました。
わたしたちも、信仰のためにかんなんを忍ぶ者に
与えられる永遠の報いを受けることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

六月二十三日  聖ヨセフ・カファッソ司祭  記念

一八一一年、アスティのカステルヌオヴォで誕生し、
キエリの学校に通い、続けて同地の神学校で勉強した。
司祭叙階後、司祭研修学院 (Convitto Ecclesiastico) に入り、
青少年の指導や囚人たちの教戒活動にたずさわり、教理を
教えるかたわら、倫理神学の勉強を深めるためトリノで活躍した。
 やがて同校の学院長となり、若い司祭の養成に尽力し、
特に倫理学院を担当し、その論理を、聖フランシスコ・サレジオと
聖アルフォンソの純粋で安らぎを与える教義で、人びとを
ヤンセニズムの厳格主義から解放し、司教活動に専念し、聖性の
現実的歩みを、日常の義務、奉仕の精神、祈りの生活、神に
おける従順にあると示した。囚人たちを訪問したり、死刑囚に
介添えし、キリスト教的希望の力と、神のいつくしみへの信頼を
感じさせるように導いた。
 彼を長年の徳罪司祭、霊的指導者と仰いでいた
聖ヨハネ・ボスコの若者への召命が愛徳の他の多くの
イニシアチブと共に、神からのものであると確証を与え、
その事業を物質面でも全面的に支援した。
「囚人たちの司祭」、「イタリアの聖職者の真珠
(教皇ピオ十一世)、と呼ばれた聖ヨセフ・カファッソは、
一八六〇年六月二十三日に死去し、一九二五年福者に、一九四七年
聖人の位に上げられ、教皇ピオ十二世によって「拘置所の保護者」
とされた。
 典礼文では、「限りなくいつくしみ深い父である神」
(集会) が聖カファッソの輝かしい生涯に、
「愛徳と知識のたまもの」(集会) を豊かに与え、
多くの人を「正義と聖性」(集会) に導き、
「福音の学びやで、ゆるしとみことばの奉仕者をはぐ
く」んだ、(集会)ことをほめたたえている。
彼の模範と教えは、力強く生きることを学ばせ、
「正義と聖性を求め」(集会) 続けさせ、いつくしみとゆるすことを
学ばせ、神の「愛のあかしびと」(奉納) となり、「兄弟的いつくしみの
心を養い」(集会)、「悩みと困難にある兄弟を励まし続ける」
(拝領) 新しい力を見いださせ、「御子のいけにえによって清められ」た
(奉納) 信仰者の聖なる秘儀に参加するよう導く。

入祭唱 (ダニエル12・3参照)
知恵ある者は大空の光のように輝き、
多くの人々を救いに導いた者は、とこしえに星と輝く。

集会祈願
限りなくいつくしみ深い父である神よ、
あなたは福音の学びやで、ゆるしとみことばの
奉仕者をはぐくむため、司祭 聖ヨセフ・ガファッソを
選び、愛徳と知識のたまものを お与えになりました。
聖人の取り次ぎによって わたしたちが、
兄弟的いつくしみの心を養い、常に、正義と聖性を求めて
歩み続けることができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

共同祈願
神のことばに力づけられて、聖カファッソの
取り次ぎを願って祈りましょう。

答 神よ、あなたのいつくしみをわたしたちに。

教会の司牧者たちが、共同体の一致と成長のために、
牧者の愛、忍耐と賢明をもって、奉仕することが
できますように。答

日々出会う兄弟に、思いやりと援助の
手をさしのべ、福音の種を
植えつけることができますように。 答

教育に携わる者が聖カファッソにならい、
若者の知恵と心を照らし、力強く使命を
自覚して生きることができますように。答

教会の奉仕職を準備している人びとが、ゆるしを
求める人をいやすために来られたキリストの
心を深く学び、実践に備えることができますように。答

ここに集うわたしたちが、神のことばといのちの
パンに養われ、人びとの必要に心を開き、
寛大に応えていくことができますように。答

その他の意向

愛の心を与えられる父よ、あなたの限りない
いつくしみと恵みをたたえて祈る教会の
願いを聞き入れてください。
わたしたちも福音の道を歩み続け、愛のわざに
励むことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

奉納祈願
あわれみ深い父よ、わたしたちのささげものと祈りを
受け入れてください。
御子のいけにえによって清められ、あなたの愛の
あかしびととなることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
拝領唱 (ルカ6・36-38参照)
主は言われる。「あなたがたの父がいつくしみ深いように
あなたがたもいつくしみ深くありなさい。赦しなさい。
そうすれば赦される。与えなさい。そうすれば与えられる」。

拝領祈願
父である神よ、あなたの食卓にあずかって祈ります。
聖カファッソの模範にならい、わたしたちもすべてをささげ、
悩みと困難にある兄弟を 励まし続けることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

イエスの聖心の祭日の翌日 
帰天したすべてのカリタス会員・親戚・恩人の追悼

帰天した会員・親戚・恩人を追悼する聖体祭儀において、
冥福を祈るとともに、貧しく小さくされた人びとのために、
福音的勧告の実践をもって、創立者と共に働くことを誓約し、
主の声に応えた寛大な多くの人びとを、ご自分の教会に
お与えになった神の恵みに、感謝しなければならない。
 わたしたちの創立者・姉妹・親戚・恩人は、貴重な
遺産を残している。ある者は神の喜びの中にあり、
また、つつましく隠れた生活を送った人たちは、
今なお思い出の中にその名前を留めている。
 わたしたちの聖なる集会は、教会の中で、これらの人びとが
全うした神の恵み、その善業を思い出し、その徳を心から
賛美する。また、会員のためには忠実と感謝からあふれ出る
この追悼を黙想会中にも行われる。それは、姉妹が動き、信じ、
希望し、苦しみ、愛しつつ生きたその道を偲びながら、
わたしたちがますます熱心に歩み続ける支えとするためである。

キリストの「あがないの死」(叙唱) から照らされた
死の神秘の前で、典礼文は「すべてに越えて神の国を
求める人びとに、終わりのない幸せを約束」された
(集会)「限りなくいつくしみ深い父」
(集会) に対する信仰へと、会衆を招いている。
会衆は、いのちを与え、摂理によって導き、支えられる
神なる父に、亡くなった兄弟姉妹たちをゆだね、
「聖ヨハネ・ボスコと創立者のあとに従って歩み、
福音の奉仕に生涯をささげ尽くし」(集会)、
「助けを求めている人びとへの奉仕を果たし終え」
(奉納)、主の「招かれた畑で、生涯働いた」
 (拝領) 人びとを思い出す。そして、主の到来を
待望している者のために、神の「み顔」(集会)
を永遠にあおぎ見ることができますよう、「忠実に
仕えた者に約束された報い」(拝領)、「和解」、
「ゆるしと永遠の喜び」(奉納)「復活の栄光」(叙唱)、
への目覚めを嘆願する。
 また、この人びとを記念することは、キリストの
過越の記念の犠牲において、すべての兄弟姉妹が教会の中で、
招かれた福音の奉仕の「道を忠実に歩み続ける恵み」
(集会) を与えてくださるようわたしたちに嘆願させる。

入祭唱
主を信じたわたしたちは、その日、神の光の
うちに生きる。そこにはイエス・キリストの
備えられた忠実なしもべへの報いがある。

集会祈願
限りなくいつくしみ深い父よ、
あなたは、すべてに越えて神の国を求める人々に、
終わりのない幸せを 約束してくださいました。
あなたのもとに召されたわたしたちの
カリタス会員・親戚・恩人を受け入れてください。
彼らは 聖ヨハネ・ボスコと創立者のあとに従って歩み、
福音の奉仕に 生涯をささげ尽くしました。
この姉妹・親戚・恩人には、あなたのみ顔を あおぎ見る恵みを、
わたしたちには招かれた道を 忠実に歩み続ける恵みをお与えください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

第一朗読(イザヤ25 6―8a、9)
     主は、死を永久に滅ぼしてくださる

答唱詩編(詩編122 典礼聖歌21)
答 うるわしい神の家、エルサレム、
壁も塔も輝いて立つ。

「神の家に行こう」と言われて、
わたしの心は喜びにはずんだ。
エルサレムよ、わたしたちはいま、
お前の門のうちに立っている。 答
しげく連なる町、エルサレム、すべての民の都
そこにはイスラエルの部族、
神の民がのぼって来る。 答

イスラエルのおきてに従い、
神に感謝をささげるために。
そこにはさばきの座
ダビドの家の座がすえられている。 答

平和を祈ろう、エルサレムのために。
わたしの兄弟、わたしの友のために、
エルサレムの上に恵みを願おう。
その城壁、その宮殿のうちに平和。 答

アレルヤ唱 (マタイ24・46参照)
アレルヤ、アレルヤ。主人が帰って来たとき、
言われたとおりにしているのを見られるしもべは
幸いである。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (ルカ12・35-48)
      多く与えられた者は、多く求められる

奉納祈願
父である神よ、このいけにえを和解の
しるしとして受け入れ、助けを求めている人々への
奉仕を果たし終えてあなたのもとに召された 
カリタス会員・親戚・恩人に、
ゆるしと永遠の喜びをお与えください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱  -地上の生活から永遠の栄光へ-
聖なる父、全能、永遠の神、
いつ、どこでも主キリストによって賛美と感謝を
ささげることは、まことにとうといたいせつな務め(です)。
あなたは わたしたちにいのちを与え、摂理によって、
導き支えてくださいます。
わたしたちの体は ちりにもどるとしても、
あなたは 御子のあがないの死によって、
わたしたちを 復活の栄光にあずからせ、喜びに満たされます。
あなたの救いのわざをたたえるすべての天使 聖人とともに、
わたしたちもつつしんでほめ歌います。

拝領唱  (ルカ12・36・37参照)
主人が婚宴から帰って来て戸をたたくとき、
すぐに開けようと待っている人のようにしていなさい。
主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを
見られるしもべは幸いだ。

拝領祈願
父である神よ、聖なる食卓にあずかり 恵みのパンによって
力づけてくださいました。
あなたに招かれた畑で、生涯 働いたカリタス会員・親戚・恩人を
抱き迎え、忠実に仕えた者に 約束された報いを お与えください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

七月七日  福者マリア・ロメロ メネセス修道女   任意(FMA記念)

 一九〇二年、ニカラグアのグラナタで生まれた。
父はスペイン系で財務大臣を務めていた。裕福な家庭に育ち、
祈りと貧者への愛にすぐれていた。
 音楽と絵画の才能に輝いていた彼女は十二歳のとき
サレジアン・シスターズの寄宿舎に入る。そこで、
青少年教育の偉大な使徒、ドン・ボスコを知り、
ひきつけられ、その精神に共鳴するようになった。
人生の理想を具体的に彼女は、最初は漠然としていたが、
やがて、それは、明確な輪郭を描き始め、ますます熱意に
燃えるものになっていった。
 十九歳でサレジアン・シスターズに入会し、
修練期中に神秘体験をする。立願後、一九三一年、
コスタリカに派遣され、疲れを知らない献身によって
会社福祉事業を活性化していった。福音と教会への
忠実な彼女の生き方は若者たちの心をひきつけ、
宣教への熱意を植えつけた。
サン・ホセの近くの村で、身寄りのない子どもたち、
生活に苦しんでいる家族のために働いた。
さらに、実業家や裕福な人々を、これら困窮者に
目を向けさせ、摂理と信仰による救済のプロジェクトの
ために、協力を仰いだ。人びとの貧しさは、
彼女を駆りたたせ、解決策を講じさせた。
カトリック・アクション会の創設、貧者への救援物資の
配布、保育園の設立、無料診療所の開設など、休むまもなく
貧しい人のための活動に専念し、この世の財産の公平な
分配に尽くした。
 住む家がなく、都市周辺での生活を余儀なくさせられた
人びとのために、住まいを確保し、傷ついた心のケアの
ための教育的配慮も行った。これらの人びとが情緒的に安定し、
宗教的に心を開き、社会生活に復帰し、人間としての品位を
回復する援助を行った。これらの使徒職は、いまもなお、
協力者によって引き継がれている。
 彼女の働きを支えたものは、イエスへの深い愛、
聖母信心を広めること、子どもや貧しい者への愛、
疎外され苦しむ者への福音の伝達に対する情熱であった。
 このように、「すべての人にすべてとなり」
自分を忘れた生活は、観想と活動の一致をもたらし、
澄み切った目で自然と人を見つめ、神の存在を
見いだしていた。
 一九七七年七月七日、初めての休息をとるかの
ように、ニカラグアで永遠の安息に入った。
帰天後、遺体はコスタリカに運ばれ、そこで行われた
葬儀には多くの参列者が集まり、彼女の聖性がたたえられた。

物質的にも精神的にも恵まれたロメロ修道女は、
生涯受けた恵みを人びとに分けることに尽くした。
すべてをささげ尽くしたこの修道女を、集会祈願
では「慰めの父」に会い、その慰めは「あらゆる
困難にある人たち」に分け与えられ、「終わりの日、
祝福された」とたたえ、会衆を祈りに導くのである。

集会祈願 (おとめ共通)
すべての慰めの父である神よ、
あなたは福者マリア・ロメロをとおして、
人々に善といつくしみを 示してくださいました。
福者の取り次ぎによって、わたしたちも
あらゆる困難にある人たちを慰め、
終わりの日、祝福された者のうちに加えられますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

八月二日 福者アウグスト・チャルトリスキー司祭   任意

 一八五八年、ポーランド王族の一員として、
亡命中のパリで誕生する。ちなみに、母方の祖母は
スペイン女王である。
 王室の伝統に沿った教育を受けていたが、五歳のとき、
母親は他界する。このことと、父親の頻繁な不在は
空虚な生活となったが、深い信心によって補われていた。
 十歳から十七歳までの多感な時期を、健康上と
政治上の理由でパリとクラクフで過ごす。この時期に
カリノウスキーという類まれな指導者に恵まれる。
彼は、ポーランドに生まれ、軍隊生活の
のちシベリアで十年間強制労働に服し、カルメル会に入り、
後に聖人に挙げられた疲れを知らぬ使徒である。
彼によって、アウグストは価値観、修徳、
司祭へのあくなき望みなどにおいて多大な影響を受けた。
 一方、父親は息子に対して、外交官のキャリアを
期待していた。カリノウスキーもその路線に従い、同年代の
青年に交わり、社会生活を送ることができるように
配慮したが、健康上の理由で困難をきわめた。新しい
指導者のもとで心身の回復と教育を受けていたころ、
サレジオ会との決定的な出会いがもたらされた。
 一八八三年五月十八日、パリを訪れていた
ドン・ボスコは招かれて、ランベール宮殿でミサを
ささげた。アウグストはミサに仕え、聖体拝領した。
これを機に、召命が芽生え始めた。ドン・ボスコと手紙の
やりとりがあり、徳を修め、慈善事業に励むように、
さらに、父親の期待に沿うように勧められた。やがて、
ドン・ボスコを訪れたが、消極的であった。そこで、彼は、
教皇レオ十三世を訪ね、入会の許可を得た。
 こうして、チャルトリスキーは修練者として受け入れられ、
最晩年のドン・ボスコは着衣式に立ち会い、彼を励ました。
哲学の課程に入って、体調を崩し、アンドレア・ベルトラミの
看護を受ける。引き続く家族からの反対、さまざまな提案が
なされたが、司祭への強い信念は揺らぐことなく、
一八九二年四月二日、家族の参加はないまま、サンレモで
司祭に叙階された。その後、家族に秘跡を授け、
わずか一年の司祭生活の幕を閉じた。三十五歳であった。
 遺体はポーランドに運ばれ、初聖体を受けた
シエナワ教会の地下室に安置されている。
 二〇〇四年四月二十五日、同国の教皇ヨハネ・
パウロ二世によって福者の列に加えられた。
サレジオ会の聖性の光り輝く星である彼の生涯は、
サレジオ会の霊性の一面を示していると評価されている。
聖フランシスコ・サレジオが力説する神にいたる
労働のエクスタシーを、人びとは実際的な活動に
よって体得するが、それはいかなる境遇にあっても、
すべてをささげることによって、はじめて可能になる
聖性であることをあかししている。
 活動的に振る舞うことも必要であるが、聖性は、
まず観想的であるべきことを想起されるために、
神が与えたメッセージであろう。これが「聖性のあかし」
である。
このことを、集会祈願で「聖霊の働きに温順な
者とな」るように参加者に促すのである。

集会祈願 司牧者または聖人共通
いつくしみ深い全能の神よ、あなたは
司祭 アウグストを御子に従う者として招き
富める者から貧しい者とされました。
福者の模範に励まされて 聖霊の働きに温順な者となり、
助けを必要とする若者の中で、
へりくだってあなたに仕えることができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

八月二十六日 福者セフェリーノ・ナムンクラ 記念

セフェリーノは一八八六年八月二十六日、アルゼンチンの
チンパイに生まれた。二年後、サレジオ会宣教師
ミラネジオ神父から洗礼を受けた。モラレスが誕生に
あたっての命名であった。誕生日が教皇聖ゼフェリヌスの
祝日であったので洗礼名にとり入れられた。
 セフェリーノの父マヌエルは、好戦的な部族を
率いてアルゼンチン軍に奇襲攻撃をかけていた。
そこで信頼されていたミラネジオ神父は、平和協定を
仲立ちし、彼の身分を保障して、部族の人びとの土地を保つ
ことができますようにした。
 セフェリーノが十一歳のとき、父はブエノスアイレスの
公立の学校に彼を入学させた。しかし、校風になじめず、
セフェリーノをサレジオ会の「ピオ九世」校に転校させた。
まだ信仰によって照らされていなかった彼は、英雄的に
キリスト者のあかしをする恵みを受けた。セフェリーノはまたたく
間に勉強に関心を示すようになり、信心の実践に心を奪われ、
要理の指導を受けた。ドミニコ・サヴィオの伝記を読み、熱心に
彼に倣うものとなったこと、そして初聖体を拝領し、最大の親友
イエスへの完全な忠実を誓ったことの二つの体験が、
彼を聖性へと駆り立てた。
やがて、彼は、司祭になりたいという召命を感じるように
なった。自分の部族の使徒となり、その部族に平和の価値を
知らせ、先駆者カリエロ司教とミラネジオ神父のように
キリストの教えを広めたかった。「宣教師になってわたしの
部族を福音化したい」。これが彼の口癖であった。
あの日、駆け足で馬を走らせてきた彼に、「セフェリーノ、
何になりたいか」と呼びかけられたとき、彼は馬を
止めながら「司祭になりたい」と答えると、再び
馬を駆って走り去っていったとのことである。
 召命実現の機会が与えられたが、彼は結核を患うようになった。
故郷の環境に戻すことも考えられたが、改善は見られなかった。
いろいろと転地療法が試みられたのち、カリエロ司教はイタリアで
よりよい治療が可能かもしれないと考えた。
イタリアでは、セフェリーノは注目を浴びて報道されたり、
最高評議会の食事に招かれたり、ピオ十世の私的謁見が
許されたりした。
 一九〇五年の三月二十八日、セフェリーノは
ティベリナ島の「神の聖ヨハネ病院」に入院した。
使徒職への強い望みを抱きながら、無類のやさしさ、勤勉さ、
清さ、快活さの記憶を人びとの心に残して、
十九年の生涯を神に捧げた。五月十一日のことであった。
 サレジオ会総長チャーヴェス神父は列福式にあたり、
セフェリーノはサレジオ会的青少年教育の
霊性の実りであると絶賛した。

 典礼において、宣教の種は不毛の「パタゴニアの地」
(集会) に落ち、芽吹き、花を開き、原石のような若者、
福者セフェリーノ・ナムンクラを光り輝かせ、
福音のすばらしさを人びとに示したことを
称えている。そして、会衆を「日々、忍耐と愛をもって」
「み国の実現のために」「ともに尽くしていく」
(集会) ように励ますのである。

集会祈願
全能永遠の神よ、
あなたは パタゴニアの地に花ひらいた
福者セフェリーノ・ナムンクラをとおして、
聖性の輝かしい模範を 若者たちに与えてくださいました。
福者の取り次ぎを願うわたしたちが
日々、忍耐と愛をもってみ国の実現のために
ともに尽くしていくことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

九月二十二日  記念 (FMA記念 付録参照)
福者ヨセフ・カラサンス司祭、
エンリコ・アパリシアス司祭と同志殉教者  

一九三〇年代のスペインは、内戦と宗教的迫害の
時代であった。王制崩壊によって反宗教政権が始まり、
教会や修道院の破壊以上に、報道機関を用いて
反宗教心をあおった。トレドの大司教の国外追放を
皮切りに、教会への弾圧を強化し、学校の閉鎖を
命じ、さらに、福祉事業も認めない方針たてた。
 内戦における反宗教的スローガンは「司祭皆殺し」で、
「聖人の誉れ高い者、慈善事業に携わる者」に
的をしぼって弾圧した。こうして、内乱の政治的動機は
反宗教のものに変わっていった。それに伴う迫害の
悲惨さは、スペインの歴史の中でも類をみないものとなった。
一九三六年、スペインのサレジオ家族は繁栄を
きわめていた。サレジオ会には四つの管区があり、
サレジアン・シスターズにも一つの管区があり、数百人の
両会員たちは、共産主義者の迫害から免れることはできなかった。
内戦終了後、百人以上の会員が行方不明になり、
迫害のため英雄的な最期を遂げたと推測された。サレジオ会の
聖性の歴史の中でも、もっとも光栄ある、しかも忘れる
ことのできない特筆すべき時期であった。しかし、
これらの犠牲は隠れた場所でひそかになされた。
このため、迫害が始まってからの情報は注意深く、
骨身惜しまず収集されたが総括調査ははかどらなかった。
その調査はバレンシア・バルセローナ管区、セルビア・コルドバ管区、
マドリード管区を中心に進められた。しかし、調査は中断され、
その後の再開で、サレジオ会関係者は九十五人とし、二つのグループに
分けて作業が進められた。その結果、バレンシア・バルセローナ管区の
調査に、目撃者による殉教の事実の証言が得られたことにより、
ヨセフ・カラサンスと三十一人の殉教が認められ、二〇〇一年三月
十一日に福者の列に加えられた。その内訳は、司祭十六人、
修道士七人、神学生六人、扶助者聖母会員二人、信徒一人である。
 さらに、セビリア・コルドバ管区、マドリード管区の調査も
勧められ、エンリコ・アパリシアスを含む六十三名の同志
殉教者の証言や記録が得られた。一九九五年十月に列福請願書が
作成され、二〇〇七年十月二十八日、福者の栄誉を受けた。
その内訳は、マドリード管区・ビルバオ管区で、司祭十人、
修道士十四人、神学生十四人、志願生三人、信徒一人、
セビリア・コルドバ管区で司祭十三人、修道士三人。
神学生二人、信徒が三人である。

司祭ヨセフ・カラサンスは一八七二年、スペインのフェスカ市に
生まれる。バルセローナのサリア支部の施設で育つ。
ドン・ボスコが訪問した一八八六年、サレジオ会に入会。
一八九五年、叙階。
リナルディ神父の秘書、キューバの管区長、
スペインのタラコーナ管区長を歴任する。
リナルディ神父の影響を受け、父性愛あふれる上長として
リーダーシップを発揮した。
 一九三六年七月、黙想会中、会員たちはモデロ刑務所に
連行される。その後、まもなく釈放されるが、カラサンスと
三人の会員は再逮捕され、七月二十九日、バレンシアに
移送中、司祭を憎む兵士の放つ銃弾にそ撃たれた。
 ヤコブ・オルティス修道士は一九一三年、
パンプローナに生まれる。十二歳のときサレジオ会の
職業学校に入学。規則に縛られない、無邪気な性格で
あったが、生きる道を模索しているとき、召命を受け、
一九三二年、修道士として誓願をたてた。トリノで資格を
得た後、サリアの職業学校に赴任し、陽気で生徒に親しまれ、
同僚からも尊敬された。神学生フィリッポ・ヘルナンデス、
犠牲の精神と教育的手腕に秀でていた神学生
ゼカリア・アバディアと共に捕らえられ、
一九三六年七月二十七日、拷問により処刑された。

カルメン・モラノ修道女は一八八五年、ヴィラマルティンの
信仰篤い家庭に生まれる。福者エウセビア・パロミーノの
院長も務めた。副管区長のとき、内乱の最中、会員たちを
避難させたが、重病の会員の介護と看護のため残留した。
一か月後、一九三六年九月一日、同僚のアンパーロとともに
バルセローナで処刑された。
アンパーロ・カルボネル修道女は一八九三年
十一月九日、バレンシアの貧しい農家に生まれる。
幼少時、サレジアン・シスターズの学校に学び、
召命のために家族の反対にあうが、一九二三年、立願。
内乱時、シスター・カルメンとともに同じ選択をし、
逮捕され、一九三六年九月一日、同僚とともに
バルセローナにて処刑された。

 アレキサンデル・プラナスは、一八七五年、
バルセローナのマタロに生まれる。耳と口が不自由であったが、
サレジオ会を自分の家族、会員たちを兄弟と考えていた。
教養があり、彫刻に才があり、宗教的に高い評価を受けていた。
サレジオ会員が学校から追放されたあと、福者ガルシアの訪問を
受けたために逮捕され、一九三六年十一月十九日、
ガラフにて処刑される。

エンリコ・アパリシアスはマドリードの郊外にある志願院の
院長であった。一九三六年七月二十日の早朝、施設が反乱軍に
襲われたとき、志願生の解放を求め釈放させた。会員たちも
一旦、自由の身となったが、アパリシアスは再逮捕され、
総合病院で銃殺された。「神の栄光のために死ぬことはなんと
美しいこと」と常々口にしていた。

神学生ステファノは九月二十二日、捜査の手が及んだ。
姉は引き留めたが、「神の望みなら身を捧げます」、
「修道者であることは連行するに足る理由だ」と言い、
連行、射殺された。その記録がマドリードの裁判所の
記録庫にある。

 アントニオ・トレーロ神父はロダン市の聖心支部の
院長で、セビリア・コルドバ管区のリーダー格であった。
七月二十四日、支部は侵略され、聖堂も荒らされ、
会員たちは追われた。トレーロ神父は高齢の
聴罪司祭カヌート神父と協力者の家に避難していたが、
逮捕され、その日のうちに殺害された。

協力者テレサ・セフードは投獄されて、裁判にかけられ、
九月十六日、非難すべき咎が見いだされず、ただ、
マルクス主義者ではないという理由で死刑の判決を受けた。
四日後、ほかの十七人とともに墓地にて銃殺された。
最後に処刑されることを望み、仲間を励まし、
ゆるしの精神を吹き込み、目隠しを拒み、命を主に返した。

 逮捕、取り調べ、処刑という非日常のできごとは、
ある意味で会衆の日々の生活と類似しているといえる。
そのために、典礼には、会衆の生活を鼓舞する言葉が
散りばめられている。
「信仰のためにかんなんを忍ぶ者」(拝領) が「永遠の
報いを受けることができ」る (拝領) ように、
「日々の困難にうち勝ち」(奉納)、「力強く生き抜」く
(集会) 恵みを願うように促すのである。
 サレジオ会員 (司祭、修道士、神学生)、修道女、
信徒がそれぞれの役務を果たしながら、神に「喜ばれる
ささげものとな」った (奉納) スペインの殉教者の
生き方は、多様性の中の一致のみごとな模範となることだろう。

入祭唱 (ガラテヤ6・14参照)
わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、
誇るものは何もない。
救われたわたしたちには、十字架は神の力。

集会祈願
全能 永遠の神よ、あなたは 福者ヨセフ・カラサンス、
エンリコ・アパリシアスと九十三殉教者に
キリストの受難にあずかる勇気を 与えてくださいました。
あなたのために いのちを惜しまなかった殉教者にならい、
わたしたちも力強く生き抜き、あなたを賛美する
恵みを与えてください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
父よ、福者ヨセフ・カラサンス、エンリコ・アパリシアスと
九十三人の殉教を記念する このささげものを
受け入れてください。
わたしたちも、日々の困難にうち勝ち、
あなたに喜ばれるささげものとなることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領唱 (マタイ5・10参照)
義のために迫害される者は幸い。天の国は彼らのもの。

拝領祈願
主よ、あなたは、福者ヨセフ・カラサンス、
エンリコ・アパリシアスと九十三人の殉教を記念する
わたしたちを聖体の秘跡で 満たしてくださいました。
わたしたちも、信仰のためにかんなんを 忍ぶ者に与えられる
永遠の報いを 受けることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

九月二十七日  聖ビンセンチオ・ア・パウロ司祭   記念(CSM祝日)

一五八一年フランスの西南の小村プーイに生まれた。
生家は、子どもの多い貧しい農家であったため、牧童として
家事の手伝いをし、少年時代から母親の影響を受けて、
貧しい人びとに対して深い同情心を授けられた。
父親は学問を授けるてだてを講じた。やがて、
才能を見いだされてトゥルーズで学び、一六○○年司祭に叙階され、
引き続いての学究生活によって、神学・その他の学位を得た。
のちに、ある婦人からの遺産を受け取るために
マルセイユにおもむき、帰途、トルコの海賊船に
おそわれ、奴隷としてテュニスでトルコ人に
売られたが、その主人を回心させた。
 その後釈放され、再び、神学研究に励み、このころ、
聖フランシスコ・サレジオと知り合いになり、
信心深い敬虔な雰囲気、魂から発する光線のような
純粋さ、謙虚な態度に大きな影響を受け、
彼の死後、聖母訪問会の指導を秀ねられることになる。
 主任司祭、船役囚人付司祭、説教師として、
人びとの不幸を慰め、励まし、助けた。彼は、
地方の農夫たちに教えをのべると同時に、また
フランス王にも教えと進言とを怠らなかった。
その生涯を通じ、多くの慈善事業を行い、一方、
信徒黙想会の指導、聖職者の養成を目的とする「宣教会」
(本部建物の名称にちなんでラザリスト会ともいうが、
最近ではビンセンチオ会名称を使われている) を
一六二五年創立し、この会を通じてフランスの主任司祭の刷新に
寄与した。さらに聖女ルンズ・ド・マリヤックの協力のもとに、
一六三三年、救貧事業と司牧の補助手段として「愛徳姉妹会」を
創立した。パリで一六六〇年に帰天。
一七三七年列聖。教皇レオ十三世は、一八八五年に彼をあらゆる
慈善団体と病院の守護聖人と宣言した。

典礼では、波乱万丈のビセンチオ・ア・パウロの人生を
「過越の神秘を身をもって生き」た (奉納) とたたえ、
さらに会衆を、「貧しい人の福祉のため、また司祭の養成
のため」 (集会) 「貧しい人に みこころの愛を示す」
(拝領) ように促すのである。それは、貧しい人、
病気の人、苦しんでいる人こそ「御子イエス」(拝領) がもっとも
心にかけた人びとであり、聖人たちの愛徳の対象であったからである。

入祭唱 (ルカ4・18参照)
神の霊は私の上にある。
貧しい人に福音を告げ、砕かれた心を いやすために 
神はわたしに油を注がれた。 

集会祈願
すべての人の父である神よ、貧しい人の福祉のため、
また司祭の養成のため、あなたは聖ビンセンチオ・ア・パウロを
使徒の熱意で満たしてくださいました。
私たちも同じ熱意をもって 聖人の理想を
追求することができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

第一朗読 (一コリント1・26-31)
      神は、世の弱い者を選ばれた

答唱詩編(詩編122 典礼聖歌99)
答 しあわせなひと、神の恵みを受け、
  その喜びに生きる人。

しあわせな人、神をおそれ、
そのおきてを 喜びとする人。答

その子らは 地において強くなり、
彼らは とこしえに恵まれる。答

光はやみの中に輝き、
神に従う人を照らす。答
神に従う人はとこしえにゆるぎなく、
その思い出は いつまでも続く。答

アレルヤ唱 (ヨハネ10・14参照)
アレルヤ、アレルヤ。わたしは良い牧者 
わたしは羊を知り、羊はわたしを知っている。
アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (マタイ9・35-38)
      人々を見て、憐れまれた

奉納祈願
全能の神よ、聖ビンセンチオは、過越の神秘を
身をもって生き、生涯を あなたにささげました。
わたしたちも この秘跡にあずかり、
みこころに かなう ささげものとなることが
できますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領唱 (詩編107・8-9参照)
神のいつくしみと、その不思議なわざに感謝せよ。
神は渇いた心を潤し、飢えた魂を よいもので満たされる。

拝領祈願
いつくしみ深い神よ、いのちの糧にあずかった わたしたちが、
聖ビンセンチオの模範に励まされて、御子イエスにならい、
貧しい人にみこころの愛を 示すことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

十月五日  福者アルベルト・マルヴェッリ  任意

一九一八年に七人兄弟の二番目の子どもとして、
フェラリに生まれる。家族がリミニに転居したとき、
サレジオ会のオラトリオに通うようになる。
健康な体、激しい性格であったが、落ち着いた
大人の雰囲気を漂わせていた。サレジオ会員の
右腕となって、高校生のころからオラトリオの
アニメーターを果たし、要理教授を担当し、集まりの
リーダー格となり、才覚をふるった。十八歳のとき、
カトリック・アクションの会長に選ばれた。
 十八歳で、ボローニャ大学工学部に入学。
第二次世界大戦がぼっ発したのはこのころで、
イタリアはこれに参戦。アルベルトは一九四二年、
大学を卒業し、トリノのフィアット社に就職した。
戦争が激化すると、トリエステで兵役に服した。
兵役につきながらも彼は仲間たちをミサに誘うという
快誉を遂げた。第二次世界大戦中、彼は難民たちと
貧しい人びとの使徒となった。戦争が終わって、
連合軍がリミニに進駐してくるとマルヴェッリは
都市復興計画委員会の代表に任命され、土木工学の
分野を担当した。復興の方針として、「生活にゆとりの
ある人は後でよい、貧しい人を最優先しよう」と訴えた。
 やがて、キリスト教民主党の候補者に擁立された。
信心深く誠実な彼には支持者は多かったが激戦に
なった。しかし、それは対立のもととはならなかった。
ある共産党の対立者はこのようにもらしていた。
「自分の党が敗北したとしてもかまわない。
マルヴェッリが市長になるかぎり」。
 彼の霊的生活の柱は、聖体とマリアへの信心で
あった。「至聖なる秘跡におけるイエスを観想するとき、
わたしには新しく、広い世界がひらけてくることか」と
日記にしたためている。
 将来を期待された青年であったが、その生涯は唐突に
終わった。一九四六年十月五日、母親と夕食を終え、
自転車に乗って、集会に急いで出かけたとき、家の近くで、
異常な速度で走る軍用トラックにはねられ、二十八歳の
人生を神の手に返した。
 彼こそ、善良な市民、良きキリスト者の理想を体現した
典型である。新三千年期の若者に、日々の聖性の手本を
示し、サレジオ会の教育が聖人を生み出す道であると
認めさせたマルヴェッリを、「予防教育の実り」であると
チャーヴェス神父は絶賛した。

二〇〇四年九月五日、イタリアのロレトで、
教皇ヨハネ・パウロ二世によって、福者の列に加えられた。

典礼では、「働き、教育、政治によって、家庭に神の
国を建設するために、社会に福音をもたらすために、
惜しみなく尽くした」という教皇の言葉を反映して、
会衆が「世の価値を認め、隣人に寛大な心を持ち、
奉仕に励む」(集会) ように、さらに、「福音の
光で社会に貢献するよう」(集会) に励ます。

入祭唱 (詩編63・11参照)
神に従う人は、神のうちに喜び祝い、希望を見いだし、
心の正しい人は神を誇りとする。

集会祈願
いのちと聖性の源である神よ、
あなたは 福者アルベルトを
貧しい人々への愛に燃え立たせ、福音の光で社会に
貢献するよう導かれました。
福者の取り次ぎによって、わたしたちも世の価値を認め、
隣人に寛大な心を持ち、奉仕にはげむことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
神よ、わたしたちのささげものをこころよく受け入れ、
あなたの愛を 深く味わわせてください。
福者アルベルトの模範にならって、寛大な心で祭壇に仕え、
ふさわしい心で あなたを賛美し、救いの恵みを
受けることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱
聖なる父よ、最愛の子イエス・キリストをとおして、
いつどこでもあなたに感謝をささげることは、
まことにとうといたいせつな務め(です)。
喜びあふれる聖人の姿は あなたの栄光の輝きをみせ、
彼らの勝利は あなたのいつくしみをたたえています。
あなたは、福者アルベルトの生涯をとおして
キリスト者のすぐれた模範を示し、
相互の助け合いと 兄弟的交わりに生きるよう うながされ、
福者のあかしを通じて、わたしたちに同じ栄光を求めさせ、
信仰を実践するよう励まされます。
あなたをたたえるすべての天使、聖人とともに、
絶え間なく賛美の歌を歌います。

拝領唱 (ヨハネ15・9)
父がわたしを愛されたように、
わたしもあなたがたを愛してきた。
わたしの愛にとどまりなさい。
拝領祈願 
主である神よ、福者のアルベルト・マルヴェッリの記念日に 
受けた秘跡によって絶えず心が新たにされ、
永遠のいのちに達することができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

十月十三日  福者アレキサンドリナ・マリア・ダ・コスタ  任意
    
一九〇四年三月十三日、ポルトガルのバラサールに、
未婚の母の子として生まれる。母親は生計を立てるために、
多忙な日々であったが、姉と共にしっかりした信仰教育を施した。
その地方の慣例に従い、六歳から、要理の勉強に通い、
七歳で初聖体を受けた。そのころ、大工の家に身を寄せて
初等教育を始めたが、八か月でやめて家に帰った。
 八歳で野良仕事にでかけ、丈夫な体で男性に負けない
働きで、やがて同等の稼ぎを得ていた。親しまれる
性格が裏目に出て、嫌がらせの言動をする者がおり、
悩まされ、抵抗もしていた。
 十二歳のとき、生死をさまよう重症にかかる。
アレキサンドリナにとって決定的な事件は、
美しい乙女に成長した十四歳のときに起こった。
かつての雇い主が相棒をつれて彼女の家を襲った。
アレキサンドリナは窓から飛び降りて難を逃れたが、
脊椎に重症を負う。
 当初、勧められる治療を試み、祈ったが、回復の
兆しはほとんどみられなかった。主治医は、この
麻痺状態は生涯続くだろうと十九歳のとき、
宣言した。以後、三十二年間、福者自身が記している
ように受難の期間として、カルワリオまでイエスに
同行することになる。

 このころから、神の不思議な恵みが動きはじめた。
なえた体で、罪びとの救いのために十字架上のイエスに
伴う苦しくて長い旅が始まった。一九三六年、「救霊のために
手を貸してくれるように」との主の招きを聞く。
二年後、三年半にわたり、木曜日から金曜日にかけて、
百八十二回、キリストの受難を視覚的に体験した。
第二次世界大戦の予告を受け、世界平和のために自分を
いけにえとしてささげた。世界を聖母のみ心にささげるように
主からの促しを受け、聖座に申請し、一九四二年十月三十一日、
教皇ピオ十二世はそれを受け入れた。このころから健康状態は
著しく悪化し、食べ物を受けつけなくなり、死を迎えるまで、
聖体のみで生き続けた。
 一九四五年、彼女は、サレジオ会の
ウンベルト・パスクァーレ師と出会い、指導司祭を依頼した。
師の勧めで、サレジオ協力者の会員証を手にしてからは、
サレジオ会員と共に若者の救いのために祈り、苦しみをささげた。
精神的に修練者と信心業に参加して彼らと共に祈った。
 厳しい断食は医師団によって細心に、残酷なまでに見張られた。
一九五五年十月十三日、「わたしは天国にまいります」と
言いながら、その生涯を閉じた。
 二〇〇四年四月二十五日、福者の列に加えられる。

 典礼では、聖体と聖マリアの汚れないみ心の信心を
広めるために、受難と一致したマリア・ダ・コスタの時と
場所を越えた聖性の輝きが、集会祈願にまとめられている。

集会祈願 (おとめまた聖女共通)
いつくしみ深い父よ、
あなたは御子の受難に親しく一致した
福者アレキサンドリナ・マリアの模範を
教会に輝くものとされました。
聖体の崇敬と 聖マリアの汚れないみ心の信心が
世界のいたるところに燃えあがるよう、
福者の取り次ぎによって、わたしたちが聖霊の住まいとなり、
あなたの愛の まことの あかしびととなる恵みをお与えください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

十月二十四日  福者アロイジオ・グァネッラ司祭  任意

一八四二年に、ソンドリオのカンポドルチニノで誕生。
家庭で、仕事への愛と貧しい人たちへの愛徳を学んだ。
サヴォーニョの主任司祭、小学校教師として学校を
創設し、若者の「カトリック・アクション」を組織立てた。
この時期、彼はドン・ボスコと出会い、接触を重ね、
一八七五年ドン・ボスコのもとに赴く。そして、トリノの
「サン・ルイジ」オラトリオで、また、クネオのトゥリニタの
「ドゥプラス」寄宿学校で、三年間サレジオ会員として
活動したが、彼の教区の司教に呼び戻され、ソンドリオの
トゥラオーナに貧しい子どもたちのために学校を開設した。
しかし間もなく、それは市当局の反対にあい、閉鎖しなれば
ならなかった。
 一八八六年、コモで「御摂理の家」を設立し、
その中心に、聖心の礼拝堂を建立した。それは、
若者の教育、心身に障害をもつ人たちへの援助、
老人介護のため、「御摂理のマリアの修道女会」を
起こす誘因ともなった。また、同じ目的のもと、
「愛徳の奉仕者修道会」を、一九一三年には死に臨む
人びとのために「聖ヨゼフの死にあやかる
信心会」を創設した。
 一九一五年十月二十四日、コモで帰天。
一九六四年十月二十五日に列福される。彼の深い
祈りの精神と真の謙そんによって養われた生涯であった。
優しく意志堅固、愛情深くかつ強じん、賢明でかつ大胆、
これらの程よい調和、堅忍、勇気、飽くことのない活動、
英雄的な犠牲の精神など、司牧者として活動の責務を、
神への信頼に満ちた委託と魂の限りない優しさで統合された
活動を心得た福者であった。

典礼文は、福者グァネッラを、神が「貧しい人、
見捨てられた人に対する強い愛で輝かされ」た
(集会) ので、「摂理によって導かれるいつくみし
深い神」(集会) への感謝の歌となっている。
聖人たちの生涯は、いつも、ご自分の民への神の
いつくしみの雄弁なしるしであるとともに、
すべての人の中に救いの神秘が完成され、より小さい
兄弟たちに対する「強い愛」(集会) を生きながら
「愛徳の生活をますます深め」る (拝領) よう
招く。会衆は御子の「限りない愛」(奉納) を記念する
儀式に参加し、福者グァネッラの兄弟たちへの奉仕を
とおして行った。「限りない愛」(奉納) にならい、
日々、「愛徳を熱心に実践していくことができ」(集会)、
「愛徳の生活をますます深め」(拝領) るよう
願い求めるよう促される。

入祭唱 (マタイ25・34、36、40参照)
父に祝福された者よ、来るがよい、病気の時、
あなたはわたしを訪れてくれた。わたしの兄弟の
最も小さな者にしたことは、わたしにしたのである。

集会祈願
摂理によって導かれるいつくしみ深い神よ、
あなたは、福者アロイジオ・グァネッラを、
貧しい人、見捨てられた人に対する強い愛で 輝かされました。
わたしたちも福者の模範にならい、
愛徳を熱心に実践していくことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

奉納祈願
聖なる父よ、あなたの御子の限りない愛に感謝してささげる
この供えものを受け入れてください。
福者アロイジオ・グァネッラの取り次ぎに支えられて、
わたしたちもあふれる愛をもって人々に奉仕し、
あなたに仕えることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。
叙唱   -聖人の模範と取りなし-
聖なる父、全能永遠の神、
主キリストによって、心からあなたをたたえ、感謝をささげます。
あなたは力強い創造主、聖霊とともに、
愛の確かなしるし 御子をこの世に遣わされ、
聖人の信仰のあかしによって、教会を豊かにされます。
その模範と取り次ぎをとおして、
あなたの救いの神秘が完成されるよう
わたしたちの生涯の歩みを支えられます。
あなたの偉大なわざをたたえるすべての天使 聖人とともに、
喜びのうちに感謝の歌を歌います。

拝領唱 (ヨハネ13・35参照)
あなたがたが互いに愛し合うなら、すべての人は、
あなたがたがわたしの弟子であることを認める。

拝領祈願
神よ、いのちのパンを受けて祈ります。
福者アロイジオ・グァネッラの模範にならい、
愛徳の生活をますます深め、
終わりのない喜びにいたることができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

十月二十九日  福者ミカエル・ルア司祭   記念

一八三七年、トリノにて誕生。一八五二年
ヴァルドッコのオラトリオに通う。二年後には、
ドン・ボスコがサレジオ会を起こしたいという提案に
賛同した最初のメンバーの一人として加わった。
司祭叙階後、常にドン・ボスコの傍らにいて一八六五年
からは、聖人のたっての願いで、彼の代理 (副総長)となり、
一八八四年に、教皇レオ十三世によって創立者の後継者に、
一八八八年には総会長に任命された。
 彼は厳正な忠実さから「生きた会憲」と見なされていた。
ルア神父は、「優しさの極み」と称される程のデリケートさに
満ちた父性愛を示していた。その聡明で先見の明のある行動は、
社会的分野では大胆で、競技場や社会に役立つ環境設定に
よってオラトリオを盛んにし、正規の教科が整えられた
職業専門学校へとことを運びながら、国の法律に先んじ、
古典的学習とともに専門技術や商業のカリキュラムを
組み入れ、多くの寄宿舎 (寮) を建てた。会員の増加と
事業の発展に伴い、殊に宣教師を派遣することに意を
用いて、サレジオ会員たちを全世界に派遣した。
ヨーロッパや中近東のサレジオ会の事業視察のため
長期の旅行中、彼は会員たちを慰め、勇気づけながら、
「ドン・ボスコはこう言っていました……、
ドン・ボスコはこのようにしていました……、
ドン・ボスコはこう望んでいました……」と、
絶えず創立者の姿を会員たちの心に刻み込もうと努力した。
 一九一〇年四月六日に帰天。一九七二年十月二十九日、
教皇パウロ六世によって福者の列に加えられる。そのとき、
教皇は、「サレジアン・ファミリ-はドン・ボスコの中に
起源を有しながら、ドン・ルアの中に継続性をもっています。
ドン・ルアは、ドン・ボスコを模倣する学校、その会憲の
精神、そしてその聖性のモデルです。ドン・ルアは一つの
伝統を発展させました」と述べられた。

典礼文は、人がたどり着く本来の聖性に導くために、
効果的で雄弁な新しいしるしを示した福者ミカエル・ルアに
おいて、父なる神の愛のみわざ、偉大なイニシアチブを
ことほぐよう招いている。それは、福者が天の国のために
キリストにすべてを奉献したためである。そのことを会衆は
理解して、神のことばを聴き、「御子の体と血」(奉納) にあずかり、
聖性に成長するよう願う。若者を教育するよう招かれている者が、
「賢明でやさしさに満ちた愛徳と小さく貧しい人びとに開かれた
奉仕」(拝領) と愛のわざに励み、さらに、神の愛の中に
留まるために規則を遵守するように呼びかけ、その実践の
細部をルア神父の模範の中に見いだされる。
 そのため、聖体祭儀に参加する信者一人ひとりに、
キリストの真のみ顔を知り「父の愛の神秘」
(拝領) を生活において表明し、主のみ前を平和と公平さを
もって歩むよう強く呼びかけている。

入祭唱 (マラキ2・6参照)
真理の教えが彼の口にあり、彼は平和と正しさのうちに
わたしの前を歩んだ。 

集会祈願
父である神よ、あなたは聖ヨハネ・ボスコの後継者 
福者ミカエル・ルアに、あなたの似姿を 青少年のうちに
形づくるたまものを お与えになりました。
青少年の教育に招かれたわたしたちも、
あなたの御子キリストのまことの姿を
示すことができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

第一朗読 (列王下2・1、6-15)
      霊の三分の二をわたしのものにしてください

答唱詩編 (詩編16 典礼聖歌98)
答 しあわせな人、神の恵みを受け、
  その喜びに生きる人。

神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、
わたしの受ける杯。
わたしの道を開くかた。答

わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、
わたしはけっしてゆるがない。答

わたしの心は喜びに満ちあふれ、
からだは安らかにいこう。答

アレルヤ唱 (マタイ6・20a、21参照)
アレルヤ、アレルヤ。富は天に積みなさい。
あなたの富のあるところに、あなたの心もある。
アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (マタイ6・25-34)
     まず、神の国と神の義を求めなさい

共同祈願
福者ミカエル・ルアの記念日にあたり、
信頼を込めて父である神に祈りましょう。

答 神よ、わたしたちの心を新しくしてください。
諸聖人の模範が、回心と刷新への招きとなり、
神の民に聖性が花開きますように。答

全人類が、神の創造の計画にこたえ、
自らの人間性を実らせ、成長していく
ことができますように。答

サレジオ家族が、聖ヨハネ・ボスコへの忠誠を
もって、青少年、特に貧しく見放した青少年への
使命をまっとうすることができますように。答

若者が福音の勧めを寛大に受け入れ、
キリストとの交わりのうちに
生きることができますよう。答

ここに集うわたしたちが、キリスト者としての
日々の歩みを支える神のことばを受け入れ、
聖霊の働きに温順であることができますように。答

その他の意向

父よ、この家族の願いを聞き入れてください。
良い業の実りをもたらすことができますよう、
あなたの助けによって、召命の喜びを
まっとうすることができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
 アーメン。

奉納祈願
父よ、この供えものを、
わたしたちの奉献のしるしとして 受け入れてください。
この供えものが御子の体と血となり、わたしたちの
日々の聖性の糧となりますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱  -神への奉献生活のしるし-
聖なる父よ、最愛の子、イエス・キリストをとおして、
いつ どこでもあなたに感謝をささげることは、
まことにとうとい たいせつな務め(です)。
わたしたちは天の国のため
キリストに生涯を奉献した人々をほめたたえます。
あなたはわたしたちを恵みの状態に呼び戻し、
あらかじめ備えられたたものを この世で味わうよう招いて、
いつくしみにあふれた愛を 示してくださいます。
わたしたちはこの偉大な愛のみわざを心からたたえ、
あなたの栄光を賛美し、すべての天使 聖人とともに
感謝の歌をささげます。
拝領唱 (ヨハネ15、10参照)
主は言われる。「わたしが父の掟を守り、
その愛にとどまっているように、
あなたがたもわたしの掟を守るなら、
わたしの愛にとどまっている」。

拝領祈願
父である神よ、福者ミカエル・ルアを記念して、
あなたの食卓で養われて祈ります。
父の愛の神秘を 日々の生活のうちに表すため、
福者の生涯に輝いた 賢明でやさしさに満ちた愛徳と
小さく貧しい人々に 開かれた奉仕の精神に
ならうことができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

他の選択朗読
第一朗読 (一コリント12・31-13・8a)
愛は終わることがない

答唱詩編 (詩編16 典礼聖歌98)
答 しあわせな人、神の恵みを受け、
 その喜びに生きる人。
神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、
わたしの受ける杯。
わたしの道を開くかた。答

わたしは絶えず神を思う。
神はわたしのそばにおられ、
わたしはけっしてゆるがない。答

わたしの心は喜びに満ちあふれ、
からだは安らかにいこう。答

(または)
第一朗読 (エフェソ4・1-7、11-13)
キリストの賜物のはかりに従って、恵みが与えられています

答唱詩編 (詩編23 典礼聖歌123)
答 主はわれらの牧者、
  わたしは乏しいことがない。

神はわたしを縁のまきばに伏させ、
いこいの水辺に伴われる。
神はわたしを生き返らせ、
いつくしみによって正しい道に導かれる。答

たとえ死のかげの谷を歩んでも、
わたしは災いを恐れない。
あなたがわたしとともにおられ、
その鞭と杖はわたしを守る。答

あなたははむかう者の前で、
わたしのために会食を整え、
わたしの頭に油を注ぎ、
わたしの杯を満たされる。答

神の恵みといつくしみに 生涯伴われ、
わたしはとこしえに 神の家に生きる。答

(または)
第一朗読 (二テモテ1・13-14、2・1-3、4・1-2、5)
      福音宣教としての仕事を成し遂げる

答唱詩編 (詩編89 典礼聖歌41)
答 神のいつくしみをとこしえにうたい、
  そのまことを代々に告げよう。

あなたの腕は力にみなぎり、
その手は強く、右の手は高く上がる。
正義と公平はあなたの国のもとい、
いつくしみとまことはあなたの前を進む。答

神よ、あなたの輝きを知り、
その光の中を歩む民はしあわせ。
あなたの名をいつも喜び、
あなたの正義によって高くあげられる。答

アレルヤ唱 (ヨハネ15・16参照)
アレルヤ、アレルヤ、
あなたがたがわたしを選んだのではない。
わたしがあなたがたを選んだ。
あなたがたが出かけて行って実を結び、
その実が残るように。アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (マルコ10・17-23、28-30)
待っている物を売り、貧しい人々に施し、わたしに従いなさい

(または)
アレルヤ唱 (マタイ10・5-9参照)
アレルヤ、アレルヤ、神の国はあなたがたの
うちにある。すべての人に平和を告げ知らせなさい。
アレルヤ、アレルヤ。

福音朗読 (ルカ10・1-9)
   収穫は多いが、働く人は少ない
十一月十五日    福者マダレナ・モラーノ修道女  任意

 一八四七年、トリノのキエリにて誕生。
マダレナ・カテリーナ・モラーノは、若いころから、
教区の幼稚園の小さい子どもたちの間で助手として
教員の見習いを始めた。これが、全生涯、特に
教員免許取得後の彼女の生涯への準備となったのである。
福者の教師と要理教育の豊かな体験は、初聖体のときに
行った全面的奉献への願望を三十歳で実現させ、
一八七九年に誓願を立て、サレジアン・シスターとなり、
「聖性の域に到達するまで生きる」という恵みを、
主に願い求めた。
一八八一年、シシリア行きを任命され、そこの孤児たちと
市民階層の若者の間で、豊かな実り多い教育事業を始めた。
「地域に一つのまなざしを、そして天には十のまなざしを」
絶えず向けながら、シシリア島の中のあらゆる所に、
学校、教会学校、寄宿学校、作業所などを開設した。
また管区長に任命され、彼女の周りにかもしだされる
交わりの雰囲気に魅了された多くの新しい召命のために、
養成担当の責務をも引き受けることになった。
彼女の数多くの使徒職は、要理教育の全事業を、
彼女の福音的進取の気構えにゆだねる司教によって、
評価され激励されていた。
がんが彼女をむしばみ、一九〇八年三月二十六日、
「人間性の偉大さの喪失によって、恵みの偉大さを
妨げることのないように」との目標をかかげて生き抜いた
完全な統合の生涯を、カターニアで閉じた。
一九九四年十一月五日、教皇ヨハネ・パウロ二世は、
当地で、福者と宣言され、彼女の地上での誕生日が
記念日となった。

典礼文は、祈願文のテーマとして、キリスト者の
種々異なる生活において、神の恵みがたえず実現され、
継続される聖霊の働きを強調させている。
福者の心に息吹かれた主の霊は、マダレナを
「燃え立たせ」(集会)、会衆は「悪の傾きから解放され」
(奉納) て、「過ぎ行くものの誘惑」(拝領) を乗り越え、
「福音の光に照らされた」(奉納) 力強い生活を熱心に
実現するために、みことばといのちのパンの食卓に
連なるのである。賢明で賢い乙女の秘密は、ともされた
ランプをもって、キリストと兄弟たちに会いに行くために、
最も良い部分を選んだ者の生きた体験となるのである。
 
入祭唱
彼女は賢明なおとめ、分別あるおとめ。
ランプをともしてキリストを迎えに行った。

集会祈願
聖なる父よ、
あなたは 真理のことばで福者マダレナ・モラーノの
心を燃え立たせ、知識と忍耐をもって 若者の教育に
献身するよう導かれました。
わたしたちも聖霊に心を開き、喜びのうちにあなたの
愛の計画を完成することができますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

共同祈願
皆さん、福者マダレナ・モラーノの取り次ぎを
願って、いつくしみ深い父である神に祈りましょう。
答 主よ、わたしたちの祈りを聞き入れてください。

信仰と秘跡によって聖化される共同体が、生活の中で、
聖霊の限りない豊かさをあかしすることが
できますように。答

マードレ・モラーノの模範と取り次ぎに支えられて、
サレジアン・シスターズが青少年に寛大に奉仕し、
ドン・ボスコのカリスマを生きることができますように。答

結婚の秘跡によって聖別された家族が、福音的
生活の学びやとなり、神の民への奉仕に
生きることができますように。答

福音宣教の任務を果たしている人が、
宣べ伝えていることを、生活をもって
あかししていくことができますように。答

神の民であるわたしたちが、悪を避け、
愛徳を実践し、洗礼の約束を生きることが
できますように。答

その他の意向

聖なる父よ、福音をゆだねられた教会を
顧みてください。
あなたがお与えになる聖性のしるしと実りに支えられ、
聖霊の助けのもとに、この世を照らす救いの言葉を
告げることができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
 アーメン。

奉納祈願
聖なる父よ、福者マダレナ・モラーノを記念して
あなたにささげる この供えものを祝福し、
受け入れてください。
わたしたちの心が悪の傾きから解放され、
福音の光に照らされた、新しいいのちを
生きることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱  -神への奉献生活のしるし-
聖なる父よ、最愛の子、イエス・キリストをとおして、
いつ どこでもあなたに感謝をささげることは、
まことにとうといたいせつな務め(です)。
わたしたちは天の国のため キリストに生涯を
奉献した人々をほめたたえます。
あなたはわたしたちを恵みの状態に呼び戻し、
あらかじめ備えられた たまものを この世で味わう
よう招いて、いつくしみにあふれた愛を示してくださいます
わたしたちはこの偉大な愛のみわざを心からたたえ、
あなたの栄光を賛美し、すべての天使 
聖人とともに感謝の歌をささげます。

拝領唱 (ルカ10・42参照)
かしこいおとめは よいものを選んだ。
それを取りあげてはならない。

拝領祈願
秘跡をとおして働かれる神よ、
主キリストの御体と御血にあずかったわたしたちの心を、
過ぎ行くものの誘惑から遠ざけてください。
福者マダレナ・モラーノの模範に支えられてあなたの愛に成長し、
天においてみ顔をあおぎ見ることができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

十二月五日   福者フィリッポ・リナルディ司祭   記念(VDB祝日)

一八五六年、アレッサンドリアのモンフェラートで誕生。
二十一歳のとき、ドン・ボスコにひかれて入会し、
司祭叙階後は、志願者と修練者の養成担当の責務を果たす。
一八八九年、ドン・ルアは彼をスペインのサッリアの院長に
任命し、また三年後にはイベリア半島の管区長の任を与えた。
彼は「スペインのサレジオ会」の発展に大いに貢献し、
基盤を固め、十九の支部を開設した。
一九〇一年、サレジオ会の副総長に任命され、トリノに働きの
場を移した。副総長としてのドン・リナルディは父性的天分の
才と、豊かなイニシアチブを発揮した。なかでも、召命への配慮、
勤労青年のための精神的・社会的ケア・センターの創設、
時代的要求の中で困難な時期にあったサレジアン・シスターズへの
指導と援助、サレジオ協力者会の大きな躍進、同窓会世界連合の
結成に貢献した。扶助者聖マリアの「使徒団」を指導し、
世俗の中で生活しながら奉献生活の道を進む、新しい試みを
結実させるに至り、これが後に「ドン・ボスコ女子在俗会
VDB」として開花することになる。
 一九二二年に、サレジオ会総長に選出され、ドン・ボスコの
精神を時代に合わせるよう、全エネルギーを修道会のために
ささげ尽くした。サレジオ会的精神の養成者・霊的生活の師として、
サレジオ会員の内的生活、神への絶対的な信頼、扶助者聖母への
限りない信頼を再活性化させた。教皇ピオ十一世より
「聖化された仕事」の免償を得ることもできた。
さらに、宣教地に関心を抱き、多くの青年を送り、
言葉と習慣をとおして、より深く福音化が
浸透するように配慮した。
 一九三一年十二月五日帰天。教皇ヨハネ・パウロ二世に
よって一九九〇年四月二十九日列福される。

典礼文は、正義と聖性に満ちた新しい人、
キリストの似姿を刻み込まれた「いつくしみ深い父」
(集会) のわざを認識するよう招く。
ドン。リナルディの中には、喜んで与える者の幸いな
姿が輝いていることを悟らせる。
 会衆は、「過越の神秘」(拝領) を祝いながら、
福音の生活と活動において神の「心に敵った牧者」
(入祭)、つまりキリストの十字架と復活のしるしを、
わたしたちにもたらす牧者を眺めるよう促される。
 福者ドン・リナルディの照らされたイニシアチブ、
あふれる父性愛、忠実さ、聖なる秘跡から得る
神の霊の力の認識、賛美の供えものをささげる
心からの準備などの、使徒的熱意を思い起こさせられる。
そのため、会衆は「日々使徒職に取り組み」(集会)、
自分の任務に忠実であることができるために御父の
「愛の計画を実践していく」(集会) ように祈る。
さらに、主の「霊で新しくされ」(奉納)、
「すべてに越えて」(拝領) 神を求める力をいただく、
聖なる助けを願い求めるように励まされる。

入祭唱 (エレミヤ3・15参照)
心に敵った牧者をあなた方に与える。
彼は迷うことなく、賢明に牧する。

(または) 
入祭唱 (詩編34・12、34・6参照)
子らよ、来てわたしに尋ねよ。神をおそれる
ことを教えよう。神をあおぎ見る人の顔は輝く。

集会祈願
いつくしみ深い父よ、
あなたは、福者フィリッポ・リナルディを選び
喜びに満ちた福音を生きる模範を 示してくださいました。
わたしたちも日々 使徒職に取り組み、
福者にならって、愛の計画を実践していくことが
できますように。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

共同祈願
感謝と喜びをこめて、わたしたちの信頼に
満ちた祈りをささげましょう。

答 主よ、わたしたちを聖性の道へ導いてください。

教会と神の民が、一つの信仰に生き、日常生活の中に
主のはからいを認め、受け入れることが
できますように。答

修道家族に属する人びとが、創立者のカリスマを
現代に生かし、キリストの愛と人びとへの奉仕の
生きたしるしとなることができますように。答

サレジオ家族のメンバーが、福者フィリッポ・リナルディの
模範にならい、教会と現代社会の要請に応える
使徒的活動ができますように。答

ドン・ボスコ女子在俗会のメンバーが、
日々の勤めを忠実に果たしながら、創立者・
福者フィリッポ・リナルディの精神を
保っていくことができますように。答

ここに集うわたしたちが、聖霊によって
新しくされ、父なる神のいつくしみを
示していくことができますように。答

その他の意向

いつくしみ深い全能の神よ、わたしたちの祈りを
聞き入れてください。日々、福者を模範として
生きる恵みが与えられますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
 アーメン。

奉納祈願
いつくしみ深い父よ、
あなたは福者フィリッポ・リナルディのうちに
愛と聖性に満ちた模範を示されました。
わたしたちもあなたの霊で新しくされ、
ふさわしい心で賛美の供えものを 
ささげることができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

叙唱  -神への奉献生活のしるし-
聖なる父よ、最愛の子、イエス・キリストをとおして、
いつどこでもあなたに感謝をささげることは、
まことにとうといたいせつな務め(です)。
わたしたちは 天の国のため
キリストに生涯を奉献した人々を ほめたたえます。
あなたは わたしたちを恵みの状態に呼びもどし、
あらかじめ備えられた たまものを 
この世で味わうよう招いて、いつくしみに
あふれた愛を示してくださいます。
わたしたちは この偉大な愛のみわざを心からたたえ、
あなたの栄光を賛美し、すべての天使 聖人とともに
感謝の歌をささげます。

拝領唱 (ヨハネ15・10-11参照)
主は言われる。
「わたしの掟を守るなら、わたしの愛にとどまる。
わたしの喜びがあなたがたにあり、
心は喜びに満たされる」。

拝領祈願
全能の神よ、永遠のいのちの糧をいただいて祈ります。
福者フィリッポ・リナルディの模範にならい、
過越の神秘を生きるため、すべてに越えて
あなたを求めて生きることができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。
付録
九月二十二日   
(FMA記念)
  福者カルメン・モラノ、アンパーロ・
カルボネルとスペインの同志殉教者  

入祭唱 (ガラテヤ6・14)
わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、
誇るものは何もない。
救われたわたしたちには、十字架は神の力。 

集会祈願
全能 永遠の神よ、
あなたは スペインの三十二殉教者に
キリストの受難にあずかる勇気を与えてくださいました。
あなたのために いのちを惜しまなかった殉教者にならい、
わたしたちも力強く生き抜き、あなたを賛美する
恵みを与えてください。
聖霊による一致のうちに、あなたとともに神であり、
世々とこしえに生き、治められる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

奉納祈願
父よ、
スペインの三十二福者殉教者を記念する
このささげものを受け入れてください。
わたしたちも、日々の困難にうち勝ち、
あなたに喜ばれるささげものと
なることができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。
アーメン。

拝領唱 (マタイ5・10参照)
義のために迫害される者は幸い。
天の国は彼らのもの。

拝領祈願
主よ、
あなたは、スペインの三十二福者殉教者を
記念するわたしたちを聖体の秘跡で
満たしてくださいました。
信仰のためにかんなんを忍ぶ者に与えられる
永遠の報いを受けることができますように。
 わたしたちの主イエス・キリストによって。 
アーメン。