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第一部

罪を告白する恥ずかしさを乗り越え、あいまいな告解を避けるにはどうしたらよいか
 ドン・ボスコは、『ミケーレ・マゴーネ少年の小伝』の中で、ゆるしの秘跡、特に、ヴァルドッコでの最初の告解について、書き残しています。この貧しい13歳の少年は、父親を亡くし、路上で生活をしていました。彼は、非行に走り、刑務所にも入った経験があります。ドン・ボスコは、霧の深い秋の夜、カルマニョーラ駅で彼に出会いました。ドン・ボスコは、腕白少年のリーダーである彼が、外見は荒々しくも良い心を持っていることに気づき、彼をトリノのヴァルドッコにあるオラトリオに招きました。



 ドン・ボスコの教育的な関わり方は、ミケーレに神とその愛を体験させ、遊びへの情熱から引き離し、神からの恵みの実りである喜びを生きるよう導きました。町の暴れん坊だったミケーレは、心の中にある大きな理想、-それは司祭になりたいという思いでした-を実現するために、勉学の務めを果たし、仲間を助けるようになります。

 ドン・ボスコは、彼の生涯を振り返りながら、次のように書いています。「ミケーレがオラトリオに来てから1か月がたちました。やることはたくさんあり、時間は瞬く間に過ぎていきました。そして彼は、ただそこら中を飛び跳ねて明るく過ごしていれば幸せでした。本当の幸せとは、心の平安と良心の平穏からくるものであるなどということは考えもせずに。ところがあるとき突然、彼は遊びに対する情熱を失い始めたのです! 彼は物思いに沈むようになり、誘われないかぎり遊びにも加わろうとしなくなりました[1]。」



「守護の天使」役の一人の仲間
その中で、ドン・ボスコは、より優れた少年たちに、仲間の心の内を知る神の協力者となる役割を与えたと語っています。

 ミケーレの場合も、若い「守護の天使」役の仲間がいました。彼は、ゆるしの秘跡とその後のドン・ボスコとの出会いを準備してくれました。彼は、ミケーレが物思いに沈むようになったのは、仲間が祈り、熱心に告解と聖餐の秘跡に近づいているのを見ると、昔、他の仲間と一緒になって怠惰と自慢にふけった罪を思い出し、自責の念と恥ずかしさから自分には同じようなことは出来ないと感じているからだと理解していたのでした。そんな時、友人から思いもよらない提案がありました。

 「心配しなくていいよ。聴罪司祭のところへ行って、自分の良心の状態を明らかにするんだ。そうすれば、君に必要な助言はすべてもらえる。ぼくたちはみんな、嫌な気持ちがあるときはいつもそうしているんだよ。だからぼくたちはいつもよろこんでいるんだ」「オーケー、わかった。でも…でも……」彼は泣きだしてしまいました[2]

 ドン・ボスコは、ミケーレが落ち込んでいるに気がつき、父のような優しさをもってそっと近づき、この若者の信頼を得ようとしたのです。若者に対してこれほど注意深く、敏感で、彼らの困難や苦しみに気づき、適切なタイミングで近づき、彼らの心を知ることができる司祭や教育者がどれほどいるでしょうか。

-マゴーネ君、ちょっとお願いがあるんだけど、断らないでほしいな」
-「何ですか?神父様の命ずることなら、何でもしますよ」と彼は大胆に応えました。
-「しばらくの間、私が君の心の主人となることを許してほしい。そして、このところ君を落ち込ませている原因は何なのか、私に話してほしいんだ」
-「あ…はい。確かにおっしゃるとおりですが…、ぼくは絶望していて、どうしたらいいのかわからないのです」こう言うと、彼は堰を切ったように泣きだしました。私は彼をしばらく泣かせておき、頃合いを見ておどけたように言いました。
-「おやおや!これが、あのカルマニョーラ・ギャング団のボス、『ミケーレ将軍』かい?なんて将軍様だ!何が君の心の重荷になっているかさえ言えなくなっているのかい?」
-「言いたいですよ。だけど、どう言い出せばいいのか……どうやって説明したらいいかわからないんです」
-「ひと言でいいから言ってごらん。その後は私が続けてあげるから」
-「良心が、混乱しています」

 「それで十分だ。もう、わかったよ。それだけ言えばあとは私が言ってあげるよ。差し当たって今は、君の良心の問題に立ち入ろうとは思わないけど、ただ、すべてのことを正しく戻す方法だけを言っておこう。よくお聞き。君の良心の事柄が過去に解決されているなら、最後にゆるしの秘跡を受けたときから今までにしてしまった間違いの行いについて、きちんとしたゆるしの秘跡をしなさい。それだけでいい。もし恐れから、あるいは別の理由から告白しそびれたことや、自分のゆるしの秘跡に何か欠けていたものがあったと思うなら、もう一度最後にちゃんと取り組んだ秘跡に立ち返り、君の良心に重くのしかかっている事柄を告白しなさい[3]

罪の告白を妨げる恥
 ミケーレに、自分の過去の罪、自分が隠してきた罪、あるいは告白しなかった罪を告白するように勧めた父親のような優しさに注目してください。ミケーレに焦点を当てながらも、そのページを読んでいる他の若者たちのことも想像してみてください。ミケーレと同じような境遇にある若者たちは、恥ずかしさに加えて、聴罪司祭の自分を見る目が変わることを恐れてある罪を告白しなかったり、罪を告白するときに適切な言葉を見つけることができなかったりするのです。

 ドン・ボスコはある日、自分の罪についていつも黙っている若者がいることに気がつき、自分たちが子ども扱いをされていると分かるまで、何カ月も、何年もそのような態度を取り続けました。また、聴罪司祭は、若い人たちに心を開く機会を提供することも大切です。

 「それが難しいところなんです。いったいどうやって、過去何年間に起こったこと全部を思い出すなんてことができるんですか?」

 「とても簡単に解決できるよ。見直さなければならない何かが過去にある、と聴罪司祭に言えばいいんだ。そうすれば聴罪司祭がそこから何か汲み取って、君にいろいろ質問してくるだろうから、それに対して君はただ、はい、とか、いいえ、とか返事をすればいい。あとはそれは何回、これは何回と言えばいい[4]」。

ゆるしの秘跡を先延ばしにする誘惑
 ミケーレはその日、自分の良心を点検して過ごしました。彼は魂のある部分を整えることを切に願っていたので、ゆるしの秘跡を受けるまでは眠りにつきたくありませんでした。彼はこう言いました。「主はとても長いことぼくを待っていてくださった。これは確かです。だけど、明日までぼくを待ってくれるか、それはわかりません[5]。」

ドン・ボスコは、若い人たちが特にある罪が重くのしかかると、ゆるしの秘跡を先延ばしにする傾向があることを知っていたので、ミケーレの言葉を書き留めました。

 「だから今夜ゆるしの秘跡に行くことができるなら、それを先延ばしにしなくてもいい。今こそ、悪魔ときっぱり手を切るときなんです[6]。」

 その日の夜、ミケーレは、勇気をもってドン・ボスコのところに向かい、ゆるしの秘跡を受けました。彼は、自分の罪と過ちの重荷を友であり、霊的な父であるドン・ボスコの足元に置き、その間に時々涙が出るほど深い感動に襲われました。そして、彼は、自分が救われているかどうかの、さらなる確証が欲しくて、尋ねました。

 「あの、ぼくの罪は全部赦されたと思いますか?もし今夜死ぬことになっても、ぼくは救われるでしょうか?」

 「行きなさい、…主は、君がよくゆるしの秘跡を受けるのを、寛大な憐れみの心で今までずっと待っていてくださった。だから、主は間違いなく君の罪をすべて赦してくださった。そしてね、もし主がそのすばらしいご計画のうちに今夜君をみもとに招いてくださるとしたら、君は救われるだろう。」

 「ああ、ぼくはなんて幸せなんだ!」そして、もう一度すすりなきながら彼は寝に行きました。彼にとって、まさに興奮と感動の一夜でした[7]


[1] ジョヴァンニ・ボスコ 佐倉 泉 中村(五味)妙子 訳 『オラトリオの少年たち ドメニコ・サヴィオ、ミケーレ・マゴーネ、フランチェスコ・ベズッコの生涯』、ドン・ボスコ社、 p. 141.

[2] 上記 p. 143.

[3] 上記 pp.143-144.

[4] 上記 p. 144.

[5] 上記 p. 145.

[6] 同上。

[7] 同上。